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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ハウスリネン

2012年06月29日

今日は遠方より寝装関連のお客様がお越しくださいました。今は全般的に不況といわれていますが、ベッドというのは売り上げが伸びているそうで、短い時間でより深い眠りにつきたいというニーズがあるとのことです。

お客様が何気においてあったビンテージアイリッシュリネンハンカチ素材に興味を示してくださっておられ、寝装に使える使えないは別にしまして、共通の目をもっていてくださるところがうれしいです。布ではありますが、皆さんがあこがれてくださるようなものを生み出せるような環境があることはうれしいことです。

他に、今日は、海外ブランド提案用のプリントベースにする国産の綿の生地などが届きました。エレガントな風格を感じるものですので一級なところにまで到達できる気がします。

リネンの超細番手に関しましても、ようやく紡績が完了して届くのを待つ状態で、半年以上待って糸が手に入ったというのも感無量です。林与が無理を言って今回糸を作ってもらいました。林与では、今年は、超細番手でアパレル向けの生地開発を考えています。もし、この細番手が順調に行けるなら、さらに先の世界というのを目指したいと考えています。

織りの技術といっても人がすべて、時代おくれのものづくりこそが、世界のトップに立ちうるパラドックス。結局はものづくりは人、完璧を積み重ねることで、他ではできないものが生まれてくるのです。同じ糸で同じ機械があっても同じようにものが作れないのが人という要素の面白さ。細い糸が織れるのは、最新の機械技術手カバーするのではなく、昔ながらの人の感覚を研ぎ澄ませて作り上げていきます。

完璧に近い状態で工程を進めれば、超細番手を織ることすらも、余力を2割残した状態で進められるのではないかと思っています。量産を想定すると2割程度の余裕残しの状態でないと難しいものです。普通は麻業界でも無理とされることをプロジェクトとして進めて形にしていく、昔のものづくりにはこういうのを当たり前にみんながリスクを分担しながらできていた時代があったといえます。

なんとか作ったとしてもそれを使いこなせるブランドさんにめぐり合えなければ、そう簡単に流れるものではありませんが、しかしながら、そういうエレガンスが日本という国から発信されることは、日本という国の価値観の違いを世界の皆さんに感じてもらえるきっかけになるものと思います。


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