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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

百貨店向けの企画

2012年07月31日

今日は、朝からアパレルと問屋のお客様が来期SSのリネンの企画に関してお越しくださいました。来春の企画というと時間的にもかなり状況が詰まってきているので、形があるものを選ぶほうが安全なのですが、現在、開発予定のシリーズも入っています。

百貨店に出る商品では産地の偽装や品質の偽装が厳しくなっているということで麻に限らず百貨店ブランドさんというのはより確かなものを求めようとされる傾向が強いというのを強く感じます。産地偽装や品質偽装に関しては、最終的には確かなところから購入をするしかないといえます。

ネットで弊社サイトからお買い上げいただく場合には、1週間の返品保証もお付けしておりまして一番安心いただけるような形を取っております。今の時代というのは繊維に関わらずですがうたい文句がまったくの偽装であるケースも多いので、最終的には使われる消費者の方が確かなものを見極める力がないと、販売をされている業者さんでも完全に騙されているような話もありがちです。

アイリッシュリネンなどのケースでも、リネン業界でも本物のアイリッシュリネン糸が手に入らなくなって99%以上がそんなはずはないと思われるものであっても、一部の業者さんが実態を知らないまま大量に流されていたのが事実で、アイリッシュリネン糸であることを一番に謳われて糸を販売されていたところの一人の社員の方が、展示会で林与のアイリッシュリネンに関するパネルをご覧になられて、展示会で「これは本当ですか?」と驚かれていたほど、消費者以上に素人であられることも多いものです。

ブランドさんや百貨店も騙される側になってしまっていることも多く、先日もベルギーの糸を販売されにこられてた糸商さんにも、もともとエジプトと中国のフラックス工場を持っている会社で、以前はそれを売りにされていました教えてあげると驚かれていましたが、業界では当たり前に知っておられる方が多いことでもリネンに精通された方以外がリネンを動かされる時代にはどこまで本当なのかを消費者に伝えることは難しいものです。

フレンチリネンといわれるものでもフランスあるいはベルギーフラックス表記がなされるようになってきたのも業界のなかでも適正化が進んできたように思いますが、商社の糸を動かされている方にしましても言葉すらもほとんど通じない状況で現状を知らない通訳を介して糸を買われていることが多いですので、仕方がないといえば仕方がないのかなあとも。

アイリッシュリネンの産元として業界では有名だった中国の紡績工場の方に展示会でお会いしたときに、その工場の方たちがはっきりと「アイリッシュリネンなんてもうどこにもないよ」、と業界での当たり前の共通認識をいわれ、林与のアイリッシュリネン糸が存在することに非常に驚かれていたのに、一方で、その工場で紡績された糸が日本ではアイリッシュリネンとして大量に出回ってしまっていたというのも悲しい日本のリネン業界の真実です。中国紡績のリネン糸が品質が悪くないのは、そういう大手のものを買われた、みなさんが最高峰のアイリッシュリネンとして満足されていたことからも品質としては悪くはないものなのです。

しかしながら、昔のリネンと今のリネンとは違うという感覚的なことから不思議に思われ、林与のサイトをご覧になられてその理由が分かったということでお電話やメールをいただくことも多いものです。私自身は、一部ではありますが消費者の方たちが感覚的にそれに気がついておられるのが流石だなあと思います。大手のアパレルのリネン企画担当の年配の方でも、フレンチリネンに関しての大きな事実誤認があったりするので、どこからその間違った情報が入ってしまっているのですが、ありがちなのはよく分かるのです。販売されている方も本当のあたりをご存じないのが現実で、百貨店にですらも本当のあたりが伝わることはありません。

リネン業界の常識と百貨店店頭の認識に今も大きなズレがあるので、消費者の方に真実が伝わるかどうかすらも危ういところで、百貨店の店員さんが謳いにしていることに関しても産地偽装などの根源になってしまうのも怖い話ではあります。安いことを売りにする量販SPAは別としても、百貨店で販売されているものですらもが産地や品質ですらもが事実誤認で総崩れになりつつかある中で、消費者の皆さんに対して確かなものを売りたい買いたいと林与にたどり着いてくださる業者かたも多く、それを励みにしないとならないなあと思います。店頭でもどこで作られた生地ですかと聞いていただいたときに、弊社に限らず織工場の名前までもがしっかりと聞こえてくるようならものづくりに関しては安心していただけるかと思います。

近江の業者さんが扱われている麻布でもしっかりしたところは、浜松で織っているとか、西脇で織っているとか、高島まで織っているとか、中国で織っているとか、正直に話されており、そういう情報も業界は小さいので伝わってきます。そういうのに驚かれて私に言ってくださる方もあるのですが、私が言うのはそれはがっかりとされることではなく、正直に話されているので当たり前の真実として受け取ってもらいたいと思うのです。

日本の麻織物の本場といわれながらも近江湖東産の麻布というのがほとんどなくなっている状態ではありますので、それが特別なことと思われずに、産地に関してもそういうことが当たり前である状況を業者の方も消費者の方も受け入れてもらう必要はあるかと思うのです。たとえば、海外や他産地で織ったものといわれてそれは偽装でもなんでもなく真実なので、そのあたりはがっかりされることなく今の産地の現状であることを受け入れて販売や購入の際の判断に加味していけばよいことだと思います。


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