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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

名古屋メッセ

2012年11月09日

今日は、彦根の組合の合同の研修旅行に参加してまいりました。行き先は名古屋メッセという異業種の展示会です。4時間ほど見て回ったのですが、面白かったいくつかを紹介させていただきます。

トヨタホームさんが、家庭で充電できて1回の充電で100km走ることのできる電気自動車を出しておられました。走行距離からして実用レベルに達しているところではないかと思います。ガソリンと電気の燃料費の比較では、ガソリンの場合140円で20kmほどでしょうか。電気ですと1kwの20円(うまくやれば深夜の10円)ほどで、20kmほど走るという話ではありました。そこが本当なの?とびっくりです。完全な電気自動車タイプは日米限定100台で380万円ということです。(実用性なども実販売し試験的なレベルでの検証をしている途中ということだそうです。リチウム電池のように300回の充電で性能が劣化して使えなくなるとかだと、燃料費以上に逆にコストが高くなってしまう可能性もあるかもしれませんが、そのあたり、聞きそびれました。)

繊維関連では、東レさんが、炭素繊維で自動車のボディを軽量化する技術を展示されていました。強度は10倍ということですので自分自身はより安全です。車体重量が軽くなれば、これは交通事故の際に相手に対する衝撃も少なくなりよいのではないかと思います。しかし、あんまり軽そうだと飛行機のように飛んでしまうのではないかと思います。アメリカでは自動車の羽が開いて空を飛べるタイプが実用化されているとのことですので、それにこの技術を使えば良さそうですね。

デゥプロという印刷器機の会社が、コピー印刷した紙を再生紙に戻すコピー機を大型にしたような商品を展示されていました。必要なものは電気と水意外には専用の石鹸だけだそうです。現在は、高嶺の花ですが、こういうのも、どんどんと小型化されてきて、家庭用となって普及する可能性もあります。コピー済の紙が再生紙として蘇る技術が目の前にあるというのはすごいことだなあと思いました。

あと、小さな商品というところでは、お菓子の会社がえびせんを食品トレイとして使うアイデアを実現されておられました。これは、えびせんとして食べればコスト的には吸収ができるのではないかと思うところですが、出展者の方もいわれていたのですが、素手でつかんだものを食べるという概念がどこまで受け入れられるかというところも商品開発する上での課題だということです。

他にもメーカーで余った産業資材となるような壁紙を非常に良い感じの紙袋にされているのを見ました。この紙袋って、一回で使えなくなるようなものではなくて、丈夫なので何十回も使えるものだろうなあと思います。トータルで見ると廃棄されるものを有効利用しておられエコと呼べると思います。障害者の作業所を活用して福祉的な貢献にもつながるよう動かれていました。

ほかに、印刷会社が、電子レンジのような大掛かりな印刷システムを通して、特許技術で紙の表面に規則正しい起毛状態を作り上げ超撥水加工を実現しておられました。A2くらいまでが現在のところの実用レベルの範囲のようです。

あと、大学が、太陽電池パネルの表面にスプリンクラーで水を撒いて、表面温度を下げて発電効率の低下を防ぐという実験の結果を発表されていました。常に流し続けるよりは水量も減り、発電量もあがるというメリットがあるとのことです。水をわざわざ流すより、水槽のようなものの底に太陽光パネルを敷けばよいのではないかという蛇足的なコメントを述べましたところ、太陽の向きに傾いていないと発電は効率よく出来ないようです。

思ったのが、出展者の発表されている以外に本業の部分があって、本業の部分をしっかりとされながら新しい技術への取り組みを行い、企業イメージの向上や将来への可能性を求められているところがほとんどです。林与自身も、新しい商品を作るときに機械を改造したり、商品を入れるパッケージをどのようにすべきかなど、自分の専門技術を持たないところの解決方法が、こういった展示会で見つかる可能性も高いと思いました。

アイデアを生み出すのは簡単で、アイデアを現実の形に変える技術というものが大事だというところ、出展された企業さんはどこもが試行錯誤して見える形にして来場者の興味を惹かれていたと思います。出展者のみなさん意欲的で、丁寧に説明などされており、自分が展示会で出展者となるときの対応というものも改めて考え直しました。展示会に出すものというものはフラグシップなものであって、別に本業のものでなくてもよいのではないのかと思うところも感じたのも事実です。

一方で、アイデアチックな新商品開発で食べ繋ぐというのは一発屋的で、堅実な商売ではないのです。ベーシックな基本技術をしっかりと蓄積し、生産体制を整えていることこそが商売の基本であり、そこにリスクが伴い責任が生まれることで堅実なものづくりを志すような、一番大事な精神が生まれてくるのだと思います。よく、お金儲けのネタばかりをさがしているタイプの人というのは、形にすることができないといわれる部分だといえます。ものづくりが海外に移行するにともない、研究開発的な部分だけを日本でやればよいというような発想が増えていますが、小中学校レベルのことも当たり前に簡単にできなければ、高校大学レベルのことは無理みたいな話と似ていて、これは、私自身も単純な仕事をする上で自問することの多いところなのです。


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