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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

近江上布のルーツ

2009年11月28日

今日は、彦根市の井伊直弼と開国150年祭にちなんだ市民創生事業で、近江上布のルーツに関する講演会が彦根市のビバシティというところでありました。会場には、近江上布のファンの人がたくさん詰め掛けられ座る場所を見つけるのも難しい状況でした。

講演会の先生は、近江上布麻布史という本を書かれたもう90歳近い方で、お坊さんであり、いろいろな学校の先生をしながらいろいろな地域の歴史に関する書物を書かれた方です。紙に立方体を書いたときに、一つの角が90度か120度かという話をされながら話を進められていました。120度に見えるものでも90度だと書いても丸なんだという見方で、話を進められていたところには、現実的な柔軟な思想をもたれた方だなあと思いました。

文献を中心とした研究だったのですが、織物を作る側からすると蚊帳と近江上布は起源を同じにしているのかというと実際には、???だったりするところがあります。蚊帳機屋というのは蚊帳機屋で近江上布の機屋というのは近江上布の機屋ではないかと思ったりするのです。織物は織物でも使う糸、織る人もまったくちがったのではないかと思います。

今の時代においても昔の紡績メーカーさんや糸商さんとかはリネンといっても主に資材として太い糸扱われておられ、服地というのは呉服の流れを持つ機屋が作っているのです。歴史の一番最初が、エジプトのミイラの包帯の布からはじまっているので、麻織物全体のルーツまでたどられたと考えるべきなのでしょう。

林与でも近江上布絣を織っておられた親戚のおばあさんというのはもう一人しか残っておられません。そのおばあさんにしても話をきくと昔のことはほとんどよく覚えられていないというようなことですので、歴史というのは後から調べるのは難しいのだなあと実感します。


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