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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

リネンの生

2013年02月21日

生成というのはもともとの色味を残してはいますが、リネンの生成ですら生ではないことは余り知られていのです。生の糸というのは天然の匂いがします。リネンの場合だと、秋の田刈りをしているときの藁のような匂いです。生成の糸なのになぜ匂いがしないのかというと、精錬という工程が施されているのです。精錬をされている糸を見ると同じ生成でも荒さがないもので、少しマーブルな感じの色味になります。

リネンの糸の生成の晒度合いも紡績メーカーによっていろいろです。メーカーによっては生成といってもかなりきつい晒を掛けた相当メローな色の生成もあるのです。どこまで晒を掛けるかで生成の色味というものは変わるものです。

生の状態に近い生成の糸も存在しないことはないのですが、湿った藁のような匂いがします。それが自然なのですが、それが良いかというと、それを織り上げ生地に洋服向けにそのままつかうと電車に乗った場合など周囲の人がどこから匂いがするのかと思われるでしょう。シルクなんかでも未精錬のシルクの糸というのは、ムッとした匂いがするのと同じで、そういう糸を使って織物を作る際には、どこかの工程で、その匂いを低減させることを考えていないとならないものです。

今日は、エジプトのリネン糸を使っていて久しぶりに藁のような匂いがしました。この糸も精錬工程を経ていないのでしょう。普段は匂いの問題のない糸ばかりをつかっているので、今日は、糸の品質には匂いという要素もあることを久しぶりに思い出しました。


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