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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

長栄座

2013年03月17日

昨日は午後から奈良からのお客様でした。お話を聞いていて奈良と言うのは手仕事の文化が残っているものだなあと思うのです。滋賀県の田んぼに囲まれた近江湖東の地域のほうが、京都や大阪からの企業進出などが多く雇用環境に恵まれていて、内職的として手仕事できる人が少ないのだろうと思います。奈良には将来的にも手仕事の文化が残りそうです。

今日から長栄座。ロビー展示、リネン150番手の生地やリネン140番手のアイリッシュリネンのハンカチを展示しようと思っております。今、リネンの紡績工場から150番手の糸を使ったサンプルを糸の展示会で使いたいのでということで連絡があり、おとといですが、DHLでの発送を完了いたしました。

リネン150番手のアパレル向けの生地も歩留まりは悪いものの、ビンテージアイリッシュリネンと同様レベルの規格で生産できる範疇に入っています。将来、原料の良い年に当たれば、きっといろいろなことも出来るであろうと思うのです。この2年ほどは原料の問題が付きまといます。リネン150番手の用途は?ビンテージアイリッシュリネンと同様に、ハンカチ、ブラウス、ランジェリー、スカーフあたりが候補ではないかと思います。

40年ほど前に購入した北アイルランド紡績の140番手の糸のほうが比較実験をしても明らかに強いのです。これはアイリッシュリネンの糸の細くて強いというすばらしさを物語っているところではあります。しかも、簡単な加工でも出来上がりの風合いは別格です。現行のアイリッシュリネン級といわれるリネン糸も細さの面ではそれを凌いでいますが、出来上がった布を並べて比較すると違いは感じてしまうところです。

ハードマンズ社の140番手を私自身高く持ち上げていますが、ハードマンズ社の糸が北アイルランドの紡績の中で一番だったのかというと、私自身がいくつかの他の北アイルランド紡績の糸を織った経験からすると、同じ番手などでも他の小さな紡績工場の糸のほうが存在するだけの理由を持っていて上だったという印象を持っています。

たとえば、同じ生成りでも、同じく大手のアンドリュース社の糸や、キリリィ社のゴールデンアイリッシュリネン糸というのは、ゴールドっぽさまでもが完璧に近く、自然の芸術だろうと思います。ヨーロッパでは川なんかもリネン糸を作るために利用されていたのです。繊維関連の工場が水資源の豊かな地域と結びついているのは、本来の自然な形だろうと思います。


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