for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

生産基盤と流通基盤

2013年12月27日

展示会でも、一人で対応しているので、ほとんど自分のブースに居るのですが、最近は、麻関連の皆さんだけでなく、天然繊維の織物の機屋の皆さんが、毎回何件か弊社ブースにご挨拶に来てくださいます。仕事のお取引云々のことではなくて、誰かから林与のことを聞かれたりして、話を聞こうときてくださるのです。

来て下さるのも、お若い方もたまに居られますが、ほとんどが60歳から70歳のベテランの機屋さん、私自身よりも経験も長く落ち着いた感じの方が多いのです。そのほとんどが企画機屋と呼ばれる企画力を持った機屋さん、熟された感じの中に強いものを持っておられ、仕事にも自身で精通されていて、お話していても仕事のことを散策されるでなく、がんばっているだけの話をしていてもそれを本当に喜んで聞いて下さるのです。

日本の機織の現場では後継者の問題が付きまとっています。年配の経営者自らが機を動かしておられる話を聞いて立派だなあと思うのです。年を取ると技術はあっても面倒くささが出てしまうタイプの人がほとんどで、残念な話ですが、後継者がいても仕事が面倒くさい職人たちに食われてしまうというのがほとんどのケースだろうと思います。

いくら技術を持っていても自分自身が売れるものの形にしないと誰もお金を払ってくれないというところがなかなか理解の難しいところだろうと思います。売れるものの形にするというのは、サンプルを作って、しかも本生産も対応するようなことができないと仕事する最初の土俵にすらも上がれない。

長年の国の政策の煽りを受けて、海外大規模な生産基盤に勝てるような力が小さな機屋にも求められているのも事実。そのときに協力をいただくのが、糸商さんであったり、染色工場であったり、加工工場であったり、どこかの協力、それは単に仕事するだけでなく新しいものを作るために持ち出しして新しいものをつくらないとならないのだけど、それが難しくなると売れるところまでもっていく、新商品開発の製造基盤というものもないことになる。

嘆いても仕方なく、これは国内の製造業全般にいえることで、大手メーカーの家電や自動車製品ですらも流れる規模は非常に小さくなってしまっていることを考えると、物をつくる以上は、海外企業に負けないような物を生産して流す基盤の整備からが必要だろうと思える。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内