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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

年越し

2013年12月31日

今日は、大晦日。昨日、工場の外で水の落ちる音がするのでどこかの水が出しっぱなしになっているのかと心配になって調べてみると、工場の屋根の上の雪が解けて、トユから水道の蛇口一杯に開いたくらいの水が流れている。それほど雪が積もっているようには思えないのだが、やはりたくさんの雪があるのを見えないけど感じる。

年越しながらも寒くないのが救い。いつも冬に思い出すのは、子供の頃、工場にたくさんあったツララ。笑えるほど大きく、長さ1mほどの巨大なツララが工場の屋根の淵に冬の間いつも何十本もぶら下がっていた。一つの重さは5kとかあったろうと思う。子供のいたずら心というのはそういうものを破壊するのを楽しむ。一方で、壊さずにそれをどうやって取るか考えたり。

あんな大きなツララは他の場所では見たことがあまりない。工場の熱が屋根に伝わり、ツララが巨大化していたのだろう。冬にそれを見るとなんとなく嬉しかったのを思い出す。他の冬の思い出といえば、冬に織物の仕事が忙しかったこと。今の忙しさとは違う忙しさで、景気が悪いといっても当たり前に、毎日何十反もの出荷。

家の中での生活といえば寒い。火鉢に当たりながら、外を見ると雪だらけの前栽。でも、時々、来る小鳥を眺めたり、時間が止まっているかのような感覚。それでいて、キーンと張り詰めたようなものがあるのが冬らしさ。この冬の厳しさがあったからこそ、麻の織物が近江の湖東地域で昭和の時代にも残りえたのだろうと思う。今は、それほど厳しい冬ではないので、麻織物の産業の存続すらも難しいのかも知れない。


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