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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

リネンのプリント

2014年04月26日

先日、テキスタイルツリーの成田さんにPTJでは細番手リネンに近江上布プリント柄を展開する企画でいこうと考えていますというような近況報告をしたところ、リネンのプリント柄というものはあんまりないのでよいかも、というコメントをいただき。ピンと来たのが、リネンにプリントを載せるのは案外難しいということなのです。

綿やコットンリネンだと簡単で、リネン100%だと難しいというのも面白い話ではありますが、現実問題として私自身も取り組んでいる課題が含まれています。多くの方が取り組まれて失敗された結果が、リネンのプリントものが少ないという結果なのだろうと思います。特にアパレル向けではその問題は顕著化すると思えるところで、私自身も柄のセレクトなど大事だと思っています。

麻のプリントというのが昔から少なかった理由なども、その辺りではないかと思えたりするのです。なぜ、布に直接プリントせず、糸にプリントすることを選んだのか。単に技法を複雑化させるためだけではなく、近江上布、宮古上布、小父谷縮なんかも、布に直接プリントする問題に気がついていたので、絣になったのではなかろうかと思ったりもするのです。でも、ほぐしにならなかったのはと考えると、デザインとしての要素意外に、そこにはまた連続する縦糸ではなく連続しない横糸に捺染する理由があると思います。

近江上布で不思議なのは、黒ベースに白を抜いてあるタイプで、捺染で、どうしてあのように完璧に抜けているのかが、どのプリント工場の方に聞いてもハッキリとした答えが見つかっていないので、将来それは自分自身で再現を試みるべきだろうとおもっています。昔はよくあった白絣なんかも、今は出来ない技術であるといわれています。それと似たような要素が含まれているとしたら使える薬品などの問題も絡んでくるだろうとは思います。

林与の近江上布に使われている染料に関してのそれぞれの色の調合を書いてある帳面が残っているのです。私自身は染料には詳しくはないのですが、林与もお祖父さんのころには、家にボイラーがあって家の中で染色をしていましたので、麻を染めることに関してもプロ中のプロでした。あの形っていうのが、実際には何でもできるという環境なんだろうなあと惜しい気もするところです。


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