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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

提出物

2014年10月31日

今日は、大津のコラボにファンドの中間報告資料を届ける締め切りの日。準備はしていたつもりだが、最後に確認をすると抜けている資料などがあったりして、どこかに保管しておいたはずだがと思って、探したりして時間が過ぎていく。

結局、夕方4時半の出発で、コラボについたのは6時、担当の方は帰られてしまったかと思いながらも、まだ居られて、報告資料を預かってもらうことができて一安心。

助成金がでるとやれることが何倍にも広がるので、報告書のことさえこなすことができれば、小さな企業にとってはよい方法だと思える。日本の大きな企業でも国の助成的な制度を使って競争力をつけている。大手企業の場合は助成金を自分で受けるだけでなく、商品を買う側が助成金を申請するような形にまで法律をつくってもっていっているので、需要をシフトさせ確実な需要を生み出しロスが少ない。

エコカーにしても、太陽光発電用のソーラーパネルにしても、地デジにしても、LEDにしても、需要を生み出すために買い替えざるおえないような基準や法律からつくってしまうのだから、産業が守られるが、それでよいのかと思うところもある。繊維でも昔のよい時代を過ごした分、厳しい時代になると仕事についていけなくなる。

ソーラーパネルにしても補助金がなくなると国内業者は逃げ出すだろうし、地デジのあとは国産のテレビは壊滅状態、LEDも半永久的に使えるものなら一巡したら産業として終わりだろう。半導体産業もそうだったが、脚光を浴びていたものが一気に消え去る。

日本の繊維もよい時代に円安の影響を受けてつくれば売れる時代を経験してしまったがために、世界中からものが安く手に入るようになって店頭には魅力あるものが安く満ち足りている中で、時代に対応することができず、後戻りができず行き所がないようにすら思える。

自分自身で価値をつくりあげていくためには、モノづくりだけでなく、情報発信というのは非常に大事に思う。麻織物の希少性がどこにあるのかを考えると、産地で織物を織り続けるとことが難しいというパラドックスにあろうかといえる。自分が作るのが一番高くつき、買ったほうが安いという状況で、商売抜きに別の価値観を持たないと続けていくことは難しい世界である。極端な話、それが日本製というより、ものづくりの価値観そのものだろうと思える。実際に作っている人というのは強いもので、つくり続けている限り、やはり、その道の第一人者でいることができるもの。経験なんかは関係がないかもしれないと思うのは、仕事なんて短くてもどれだけ深く携わるか。

何十年も業界にいる人が素材の世界で食べていけないのに、若い世代が普通にしていて経験も積むチャンスが少ない厳しい時代に食べていくのは難しいだろうなあと思える。私自身チャンスがあれば、できる限り、チャンスをつかもうと努力をするけれども、それが苦労のもとだったりして、それでも苦労したことが、次のきっかけになったりもする。織物の仕事、一つ仕事を頼まれると、普通、その仕事に関して、頼まれる人の10倍くらいの時間を使う必要がある。素材というのが重要な要素であるのもそういう部分ではないだろうか。


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