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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

PTJ最終日

2014年11月06日

2日間で終わるPTJ。短いようではあるが、林与にとっては十分に濃いお話が多く、具体的に進める案件もいくつか新たに始まった。以前、お取引の有った韓国のブランドさんが、今回日本にお越しで最初お話したときには知らずにお話していて、後で名刺をいただいて、以前、お取引いただいたことを思い出す。今回もストールの注文を入れていただいて、韓国でも近江上布柄のストールが流れはじめそう。

この展示会の会期中も、日本でも展開されているスペインの大手アパレルメーカーとイタリアの大手プリントメーカーからの近江上布柄のサンプルに関するお問い合わせなどもいただいて、インターナショナルな展開が始まればという期待はある。来年に向けてはまた新しい柄にも取り組みたい。

オリジナルの近江上布に関しては、触って、硬いと思われる方が多く、洗えばやわらかくなるのかということを尋ねられることが多い。着物の近江上布というのはこんなもので、仕上げに糊を使って硬く仕上げてあるのだということも説明する。また、高級感や光沢感を出すためにも表面の毛羽を押える必要はあり、パリッとしているくらいがよかったろうといえる。生機ですかと問われる場合もあるけれども、生機は案外ペッタンコで、仕上がったものよりも柔らかいともいえ、無理と硬く仕上げていたりしたものだった。

現代のアパレルの世界において硬いものを受け入れることはなかなか難しいだろうといえるのは、特にエアコンの普及。麻は汗を吸って急速に体に馴染むものなのだが、エアコンの中では硬い風合いのものは硬く、シカシカと感じる。使い込むことで、その風合いは柔らかくなるので、ハリスツイードほどではないが、息の長い使い方が求められる。まあ、近江上布絣にしても一生モノであることが前提の高級品だった。

人が詰め込んだ精魂というのが布からは伝わり、そこからはほのぼのとしたものではなく、厳しさを感じることができるものだ。こういう布を再現することに憧れても、本来そういう布が生まれた背景があってこそ、ここまでのものがつくられたということがあろうかといえる。私が近江上布を見るときに感じるのは力なのである。


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