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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

土地

2015年04月26日

東京に来て土地というものの意味みたいなものを考える。土地というのは日本においても結局国のものではないのかというところ。中国で土地は国のものとされるが、同じようなものだなあと思える。

固定資産税のようなものの負担があって、結局一生もつと同じだけの税金を払うことになるのだ。多くの商売が成り立たなくなるのも国による固定資産税の影響が大きいだろうし、また、借地にしても地主がその固定資産税の負担をするので、結局は地代として計上され、大家にとっては固定資産税の額が貸し出したときのミニマム的な費用となろう。

何もしなければゼロではなく、マイナスなところから始まる。地価が高いとその場所に存在すること自体ハードルが高いことになる。固定資産税というのは、土地にかかるだけでなく、建物や設備にまで掛かってしまう。建物を持つことがマイナス、設備を持つことがマイナスで、そのマイナス分を賄えないと駄目。日本の企業の規模が本当に小さいのは、固定資産税を賄うのが難しいということもあるだろう。

土地を所有したからといって区分があるので、基本自由に使えるわけでもないので、やはり、国有的な存在だろうと思える。土地なんてお金払って国から預かっているだけということもよく言われるが、土地には費用負担した分、値段が上がっていかなければその価値は商品としては実質マイナスなのだ。

実質マイナス的な要素を持っていれば、地価はどんどんと下がっていく。固定資産税に見合うような水準まで下がっていくだろうが、滋賀県なんかでもこれだけ空工場や空店舗が増えてもそのままで、東京では空き店舗が少ないことを考えると、東京の固定資産税は適切な辺りにあるのだろうと思える。

東京の都心に織物の工場がほとんどないのは、固定資産税が高いからだろうし、京都なんかの繊維関係の工場でもかなり詰め込んで成り立っているところがほとんどである。本来繊維産業も消費地である東京なんかで生産をすべきだろうと思えるのだが、田舎のほうがモノづくりが成り立ちやすいというのも税制や雇用に関する法制度の問題と絡んでいるだろう。

繊維業界でも、一宮市で、固定資産税以外に、事業所税なるものが課せられることになったときに、33000平米を持っているとされた加工工場が廃業をされた。1平米600円という課税金額は単純に年間2000万円増なのだ。百年以上続かれた名門の企業が、さらに吸い上げを余儀なくされ、廃業を選ばれた形である。

多くの繊維企業が繊維をやめて、不動産業に移り変わる状況がある。業として守られてきた独自の技術が失われていく、すごくもったいない気がするが、行政のすべての負担を重くしていく姿勢だと、成り立っているものも成り立たなくなるのは当たり前で、自立しているヒトや企業が国から消えてしまう。日本でも有数のよい仕事をされていた企業の幕が閉じられ、120人の雇用が失われるような結果を行政が生み出すことになる。


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