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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

糊加減

2015年08月21日

糊のタイプが変わって最初の30kgはうまく織れて喜んでいて、次の60kg、もう少し糊を強めに付けてみたということで、チーズアップがうまくいけば問題ないだろうと話をしていて、今日、チーズ巻き工場に行くと、おじいさんが苦戦中。糊がきつ過ぎてへばり付いていてカセから糸が出てこないということで、行ったときに半分くらいが糸切れを起こしている。

糊のタイプの変更があったばかりなので、いたしかたないこと。今度は最初の糊付けの具合に戻して糊付けしてもらうことになる。チーズ巻き工場のおじいさんには気の毒だけど、今回はゆっくりとでも巻き上げてもらうことで対応。80歳手前くらいになられているのだろうけども、仕事をしてこられた方だけに大事に仕事をして下さる。

糸を巻き上げるワインダーをみていると、かなり高速に回っている。たぶん、林与のチーズアップ用のワインダーの2倍以上のスピード。それでも、それ専門にやっておられるのでカセの糸口の見つけ方など慣れたもの。

一年ほど前に、リネン100番手をお願いしたときには、「にいちゃん、こんな難しいのはもうもってこんといて」と言われたけども、まあ、暇なときにはややこしい仕事でも受けてもらえるので、昔ながらの繊維の世界の構造が生きているのだろうと思え、こういうチーズ巻き工場は、海外にももう少ないだろう。100番手を織りこなせるのもおじいさんの存在があって成り立つ。

少量なら会社の中でも巻き上げるが、産地にはこういうコンスタントな地力のようなものが流れていないと、本物じゃない。そもそも、ほかが巻き上げるのを嫌がるラミーのこんにゃく糊加工糸などを巻き上げるのも得意とされていて、産地の特色というか、林与の特色を作り上げる一端を担っていて下さった。上手に巻けなければ、巻き方一つで高価な糸がゴミに変わる。


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