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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

フラックスの原産地

2010年02月14日

林与のフラックスの原産地に関しては、ベルギー産やフランス産を使用ということにしてあります。これは、ベルギーとフランスのフラックスの産地は国境を隔てた隣接した地域であり、大手のフラックス工場などでもベルギー産とフランス産の区別をせず、ヨーロッパ産フラックスを使用したリネン繊維という形で輸出していたりしているため、紡績会社もそのような説明しか正直なところできないのだろうと思います。

通常、リネンの紡績会社というのは大規模ですので、原料の購入元が1社というわけでなくたくさんあり、その時々で、購入元に任せてベルギーやフランスの原産地証明を取って原料を輸入することになります。というわけで、その時々によって、ベルギー産であったり、フランス産であったりで断定が難しいという理由もあるのではないかと思います。ロット番号から、どこのどのロットのファイバーを紡績したかは分かるとは思いますが、品質を安定させるためにミックスして使うことも多いのではないかと考えます。一流のメーカーほど、生成など色味がいつも安定しているのはロットごとの色の差を抑える方法が取られているはずで、そうしなければ、フラックスのロット差から生じる、リネン糸の生成の色の差や品質の差は大きくなることになります。時期を隔てて、広範囲からの原料をミックスしたほうがより長期的な安定が計れます。

糸の場合、安定性を重視するシリーズと品質を重視するシリーズとは別物です。品質を重視するシリーズというのは、たまたま良いロットがあれば出来るのであって、毎回同じレベルものができるとは限りません。林与がアパレル向けに使うのは、品質の安定性を重視するシリーズの糸です。本番の時、見本と同じように色が染まり、風合いも同じに仕上がらないといけないので、糸のロットが違っても、安定して再現性がなければならないのです。追加の注文が入っても、同じようなものが出来ないといけないのです。見本を作ってから何年か後に本番の注文が入ることもあります。何年後にも再現性が必要なので、林与では、スポットで出てくる継続性のない糸は安かったりするのですが基本的に使わないことにしています。林与が特殊な糸をあまり使わないのもそこにつきます。特殊な糸というのは、メーカーが単発的に作ることが多く、何年か後にお客様が生地見本を気に入って下さり、着分がほしいということになっても、糸が廃盤になってしまっているということが多いのです。

話を原産地の話にもどしますと、今、EUという概念で考えると、EU域内でのものの動きというのは自由になっているはずですので、EU域外へのものの動きの際には原産地証明がついてくると思いますが、フラックス原料にしてもEU内では自由に動いているのではないでしょうか?最終的にEU域外へ出るときにベルギーかフランスのどちらからでてくるかという問題ではないかと思ったりするのですが、このあたりは、海外の展示会などで機会があれば、フラックス関連およびリネン紡績関係者に尋ねてみようと思います。

私自身思うのは、ヨーロッパの人が品質表示、物性、原産地に関してピリピリしているとは思えないのです。働きすぎこだわりすぎは罪だみたいな限界まで管理しきらないところに、ヨーロッパらしさがあると思うのです。ヨーロッパで品質の良い電化製品ができないのはそのあたりだと思います。逆に、その自由さからデザイン文化が花咲くのではないでしょうか。

今日のリネン日記は、私の想像の部分も多いので鵜呑みにはしないでいただきたいのですが、日本のメーカーはリネンを紡績はしていませんので、海外のリネン関係者しか本当のところは知らないことになります。海外の一流のリネン紡績メーカーが、日本の紡績メーカーのように品質を安定させるための手法をとっているとすれば、リネン紡績メーカーの定番シリーズ糸に関しては、フラックスの原産地というのはミックスされているのではないかと思うのです。


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