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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ふるさと雇用

2010年02月17日

今日は、滋賀県の委託事業の申請に動いておりました。日本の麻織物の本場近江においても、実際にリネンや麻が織られているかというと、私が家業を継ぎ始めた15年ほど前でも、すでに林与が産地の麻織を続けているということで珍しいほどになっていて、それからも、工場と従業員さんを守っておられるところほど廃業が続いて、残った機屋さんというのが本当に探すのが難しいほどの状況です。

今、職人さんというのは高齢化して、引退を伸ばし伸ばしにしてもらっているのが現状です。産地でも次の世代を担う人材が必要なのですが、布や織物に興味をもってくださるような方がおられればと、滋賀県のふるさと雇用という委託案件の提出を行った次第で、ものをつくるだけでなくPRと販売面の充実も考え、麻関連の数千種類の色柄の織物をインターネットで見てもらえるような事業を考えています。地域のNPO団体や組合などに委託されることの多い事業ですので、林与は地場産業の根幹を支えるそのものではありますが、一企業ですので審査などは厳しいであろうと思います。

先日、奈良のほうからの蚊帳っぽい素材の注文をいただいた件をかきましたが、その方は、奈良だけでなく昔からこの産地に注文を出されていたそうです。でも、奈良でもこの産地で織っているところがどんどんと辞められていったそうです。資材系の無地の一番簡単なものですが、それすらも織るところがなくなってしまっているという現状はいかがなものかと思います。見本で見せていただいた織り幅が若干狭目だったのも、あの機屋さんの織機だったからか、と思ったりもしまして、組合などで親しくしていただいていたころのお顔が浮かんできたりもしました。


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