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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

つくる人の限界

2016年04月03日

実際につくっている人というのは、自分の限界というのを知っているので、右から左に売る感覚とはまったく異なる。一人の人が一時間に2mほどしか織れない織機を3台動かしたところで、準備作業なども含めると仕事があっても最初から成り立たせるのは難しい話から始まる。

小ロットであればあるほど織る時間以外に準備する時間が必要となるので成り立たせるのは難しい話になる。ひとりで最後まで仕事をやっておられた機屋さんも、10年同じものを作り続け、一回の整経が1000mとかで、そういう機屋さんだと自由度は低いが価格的には相場に合わせやすく成り立ちやすい。

高く売るのが難しいというお客様の仕事に対しては、準備にかかる時間をどこまで減らし、量を入れてもらうかがポイントとなるのだろうが、最初数メートルの着分が必要という話になるとマイナスからスタートすることになる。

アパレルの生産はそのマイナスが積み重なって成り立たなくなることが多く、今は、新たにオリジナル生地をつくるよりも弊社企画に乗っていただく形での提案が多い。軒並み、アパレルが苦境に立たされているのもわかる話なのである。一シーズンたってしまうとゴミみたいなものづくり自体が、林与的には駄目だろうなあと思えるところで、同じものでも毎年売れるようなものが大事だろうと思える。良い物をつくるときの鍵となるのもそこなんだろうなあと思える。


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