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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

難しいなあと思えること

2016年12月26日

日本の現場って、どんどんと単純作業化していて、その流れは海外の量産型の生産と似ている部分がある。日本の製造業に求められることとして、小ロット、多品種、短納期という三種の神器みたいなところがあるけども、この3つを成し遂げるためには、まさに人の力が必要。

小ロット、多品種、短納期であっても、値段は同じみたいな感覚も普通じゃないのだが、プロが消費者感覚で物を求める、今の時代だから、どうせ同じなら卸よりも小売したほうが全体が成り立ちやすいという流れになってしまうのだろう。

自分がオリジナルで生地をつくって、仕事のお客様に販売することを想定したときには、あまり無理したものをつくらないことにしている。小ロット、多品種、短納期という問題を想定すると、現在ある機でできる企画に納まっていることが大事なのである。自分自身の企画のときには、とことんやり直しも覚悟で予算の制約もはずして考えることが多いが、それを仕事のお客様に売ろうとはあまり想定していないことが多い。自分でつくって売ってゆくという覚悟でものづくりする。

このものづくりのもののほうが面白いものがつくれるのは当たり前なのだが、それを仕事のお客さんが興味をもたれてもうまくいかないことが多い。特に、コスト、サンプルの有無、納期面で、林与の会社に転がっている10mほどのサンプル生地なども量産の5倍とか10倍の費用とか使って作っているものがほとんどなので、買いたいといわれると困ることが多いのである。作り直す分の外に払う費用だけでも請求できればよいのだろうけども、その費用を口に出すと繊維関係のプロの人でも憤慨されるんじゃないかと思う。そのくらいものを小ロットで作ろうとすると費用が掛かり、それを覚悟して作っているから、小さな会社でも自分の世界があるのだろうと思える。ものづくりが企画じゃない、現実的な部分。企画はありふれていてもそれを支える覚悟がないと物事は前に進んでいかないものである。


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