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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

型紙

2017年02月08日

今日はインターンの方には型紙を彫る仕事。私と3月から林与に新しく席を置く女性デザイナーが織る仕事。ジャガード織機の使い方を練習してもらう。彼女は織機を触るのは3日目くらいだが、ジャガードの縦糸切れの処理をマスターできたので、ジャガード縦糸切れマスターの称号を与えた。

あと、横糸切れをうまく処理できるようになると、ジャガード横糸切れマスターの称号を得ることができ、ジャガードマスターの称号を得る。前向きに物事を進めようとする人が覚えようとすると、現場の職人が意識もせずに当たり前にこなしている仕事というものは、数日で修得できることがほとんどである。

繊維の世界というのは、数日で覚えたことを一生の仕事としてやっていくのが、戦後の人の多かったときの大量生産型モデル。働く人が減り、需要や人口も減った今は、いろんな仕事を覚えて、一人が最初から最後までの仕事をこなせるようになって、自分自身で創意工夫を試行錯誤、失敗を重ねながら、思っている布を生み出すのが理想じゃないのかと思う。

デザイナーが思っている布を頼んでうまく出来上がることはまれで、そういうときに、デザイナー自身が動いて生地を試作できれば、自分の考える新しい生地も出来上がりやすい。昔、同じような発想で、問屋の方にそういうアプローチしたことがあるけども、少し経験されて、やはり問屋は問屋みたいな結論を出された。

企画や依頼されるもアイデアを言われるとおりに作っても、売れそうなものにならないことが多いと、機屋はその方のアイデアを実現するために協力すると体力を消耗することになる。私自身は生地を企画するときは、出来上がるだけでなくそれなりに販売できてやはり成果であり、それが仕事だと思う。一つの生地をつくるためには何度もの試行錯誤が必要で、アイデアが不十分ならそれを改良していく努力をアイデアを出す人がして、何に問題があるのか分からないと、全体としても、毎回の企画が成り立たないような良くありがちなケースに陥る。

殻をやぶって、動かないと駄目なのだが殻を破ることができない人が多く、それは現場だけでなく企画するものや販売とか経営者とか、小さな枠にとらわれて全体が見て動けないとまったく逆の判断に陥ることが多い。ものづくりの問題よりも、構造的な問題とか人の問題とかいわれるような話。同じアイデアでも、柔軟に実現出来る人と固く考えて出来ない人がいるみたいな話である。

若い人というのは経験が少ないので新しいことに取り組める。経験が長い人というのは自分の経験したことのない新しいことをやるのが難しいことが多い。経験が長く新しいことに常に前向きに取り組んでいるところがやはり元気にされていて、それはうらやましいことでありそうありたいと思う。


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