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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

君の名は

2017年03月04日

アニメ「君の名は」を見たのが、イタリアから帰る飛行機の中。興味のあったのは、口噛み酒と組紐、糸守という地名。私自身が、日本人や日本文化のルーツを考えたときに、そういうのに似た普段聞くことの少ない、消えてしまったような単語などがキーワードとなる。

思い出したのが、小さな頃に行事があると引き出物の料理の木箱を縛っている、組紐ではないけど、赤と白の紐。あれが、解ける糸でいつも残しておいて解くのを楽しんだ。それをやるのが子供の中では私くらいだったと思う。小学校に行くまでの、子供の頃というのは時間が長く、時間が長いのが苦痛だった。5分経つのが1時間のようにも思え。時間を使えるような何かを探していた。

今は、なぜ一日、一週間、一ヶ月、一年がこんなに早いんだろうと思えるくらいに、早く時間が過ぎてゆく。起きてちょっと仕事すれば夕方、夕方から出荷とか始める、すぐに夜中である。時間があればもっと本格的なものを作りたいと思うけど、時間に追われるばかり。仕事なんて誰に権利があるとかではなく実際に最後までやって達成した人が、仕事をしているということで本物なんだと思う。仕事をする気がなければ仕事しないほうが問題も起こらない。

従来やっていた人がやらなくなって、新しい人がそれをやり始めたときに、知識や頭じゃなくって、自分自身でやった人が強いんだろうと思える。成り立たなくなってゆくものを背負っていけるような人でないと、成り立たなくなってゆくもののレベルにも到達ができず浅いところで終わってしまうだろう。今の繊維関連の人が求めるのは広い人間関係みたなもので、新しいものを見つけるというような感覚。自分で生み出してゆくとかそれを育む土壌自体を支えてゆくとかが大事で、そこにはそれで自分が生活してゆくという覚悟みたいなものが必要だろう。

アニメの中で、小学生と中学生の女の子二人が、結構、大人以上に運命を背負って、村を救おうみたいなところ、案外、大人って誰かが助けてくれると安心してしまっててみたいなところもありがちなんだよなあ。あの東日本大震災でも、大川小学校では教師と子供が校庭に避難して、高台めがけての移動中に多くが飲み込まれた。裏山に逃げろという選択を誰かが叫んでいれば、君の名と被るところがある。君の名みたいな、時間を越えた奇跡が起こるのだろうか。


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