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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ペンキ屋

2017年07月26日

昔、大阪の捺染工場にお邪魔したときに社長がお話されていたのが、働きたいと来た人にいうのが、うちはペンキ屋だということ。プリント工場というのは、デザインの世界だと思われがちだろうけども、デザインは外部のものがして内部のものというのは自分がデザインしたいものがあっても好き勝手に自分の好きなものをつくるのが仕事ではなく、外のお客さんの要望にこたえて地道な現場作業を成し遂げることが仕事。

その社長は甲斐性のあるひとなので、仕事が終わってからやりたければ自分のやりたいことを自由にできるチャンスをあげていた。私が思うによい会社だと思うけども、それが続く若者というのはごくわずかで、若者のほとんどが自分のやりたいことだけをやる環境を求めてしかも守ってもらいたいみたいな、学生さんみたいところがあることが多い。

お金を生み出す本業というのは地道な部分で、クリエイティブな部分というのはクリエイター一人が食べてゆく程度のものでは形にもならないのだが、クリエイターというのは自分が指図して他のひとが作業してという無理があることが多い。クリエイターの中でも考えるだけでなく、自分で自分の考えたことを実践してゆける人なら食べてゆける可能性は高くなるけどという程度で、それでも通常の仕事くらいはこなせないと超えた世界なんて到底無理だろう。

大阪の社長も現場の仕事はペンキ屋だというような割りきりがあったから仕事をこなせて行けたのであろうと思う。学校とかで手品を習うように作り方を教えてもらうけども、それが出来たとしても教えてもらってできたというだけのことで、実際の仕事というのは自分が体を動かして前に進めてゆくというようなところ。


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