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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

タイヤ交換

2018年05月12日

車検前にタイヤを交換しておこうと近くのガソリンスタンドでタイヤ交換。交換を待っていると親戚のおじさんも車の何かを交換かで来ておられ、久しぶりに出会って話。今75歳になられたということ。でも、外見は、50代くらいか、今も農業をされているので健康的で年に見えない。

昔は、私の会社で働いていてもらったのだが、どうしても織る仕事は、男の場合?は、50過ぎると糸が見えなくなるので厳しくなるものである。林与のように本麻の100番手の縦黒とかは糸切れするので、それを織るというのは至難の技。縦が白だとかなり楽になるのだが、縦が黒だとすごく難しい。1日10mくらいのペースが良いところ。

住んでいる集落も高齢化した、私が小学校の頃と風景も顔ぶれもほとんど変わらないイメージがある。次の世代がいないのだ。それでも、そろそろ私くらいの世代が物事を動かし始めているが人数が少なすぎて、集中しているのは農業関連くらいか、繊維関係でも縫製関係で2つ集落の中に商売やっておられるところがある。

林与も昔と比べると小さくなりすぎているけども、実際に仕事で作業する前向きさでは1番だよくらいの気持ちでないと取り巻く環境が年々衰退していく中、海外では一つの工場でも若い世代があふれて何千倍の勢いでものが生まれてくる。普通のもの以上のものを作らないとなかなか通用しないのだが、普通のものをつくるのも難しくなっているのが今の日本の現場。

どうやって海外との違いを生んでゆくのか、特別の世界を維持して行くにはどうすればよいのか、産地の過去のものづくり伝統工芸に並ぶまたは超えた何か新しいものをどうやって作って行けばよいのか。海外の展示会などに出展する機会も得て、規模の小さな林与のような会社でもオンリーワンのようなものがなければと思う。

何でもできますは良いしそういう能力が基本として必要なのだがそれは値段だけの世界で憧れるような世界ではない。自分自身が作り上げてそれなりに良いなあと思えるような要素がいきなければと思うのが、コンパネ買ってカットしてもらうの一つでも、単純作業なのだが、人によって、カットは素人の私が見ていてカットするのそのやり方で正しいサイズにカットできるの大丈夫なのと思う人が多いこと。上手な人に頼めばどんなものでもコンパネで簡単に作れそうな気がするが、下手な人だとカットしてもらうこと自体心配になる。海外レベルの品質、値段も海外レベルに近いが、それが日本の標準になっている典型だろう。

ものづくりするときに、精度みたいなものがそれぞれあって、私自身の精度は定規で計るときもコンマミリ以下をいつも目指しているけど、普通の人は目分量だったりすることも多い。長年の経験でやっている人ほど定規も使わないことが多いので再現性が人の感覚でが限界だったりする。伝統工芸というのは一般に人の感覚が定規となる世界なので目分量で作業を進めて行くのである。作品的な要素が強いので再現性や左右対称がズレても完全な円でなくても、それはそれで揺らぎがある味の世界。

でもその世界は日本だけじゃなく、アジアのレベルの低いとされる小学校行く前の子供が遊びで作っているものづくりも、定規も使わずに子供がすごく正しい仕事をすごいスピードでこなしているので一番安いものづくりに通じる。違いが分からない私が分かっていないのかもしれないが、その違いがラベリングがあるかないかだけの違いなら本当に本物偽物が紙一重の世界である。違いがあるとすればその世界を支える考え方に違いがあって結果として高級なものづくりになっていなければ駄目だろうと思う。現地の子供たちの何倍も仕事に対しての厳しい感覚がなければ日本の高いものづくりの世界は目指せないのではないだろうか。


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