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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

整経

2018年11月04日

今日は午前中織っていて、午後から整経の作業、整経機は2台あるので、2台同時に整経。結局6時間くらい掛かって2本の整経が終了。40番と25番だったのでそれほど難しくはなかった。整経という作業は、教えてもらったのは最初の半日で、巻取りは難しく1週間ほど助けてもらいながら巻き取りは覚えた。そこからは自分自身でコツを掴んで行く。整経だけやっていると自分の整経したビームが織の工程でどのように扱われるのかが分からず、アゼを取る意味なども不明なのだが、経て繋ぎを覚えたり、織りを覚えてコマを入れるのに慣れたりすると、整経の重要性が分かってくる。

織は、素人の人でも体力があって、意欲的な人なら、レピアなら1日、シャトルで1週間で基本動作をマスターしてもらうことは可能だと思うけど、整経は素人がやると非常にまずいので、糸を立てるだけとか、最初のドラムに巻く荒巻と呼ばれる工程をサポートしながらやってもらう。本麻だと、一回で、携帯電話どころじゃなく、軽自動車1台買えるくらいの100万円コースの失敗もありえるから。まさに、運転手が左右確認安全運転していないと物損の交通事故を起こすのと同じくらいのダメージが普通の仕事である。自動車の運転だけでなく、整経の作業は、迂闊だと物損事故が起こりやすい。縦が綿だと部分整経も糸切れも少なくテンションがシビアじゃないので非常に簡単になる。アイリッシュリネン140番手の整経は半年掛けてコツコツ糸のフシを取りながら200mの整経とか。

整経屋さんという概念が私の中にはほとんどないけども、一般的な機屋さんというのは整経作業は整経屋さんが行い、整経されたビームを経繋ぎして織るのが織の工程。整経の作業は、中国やベトナムでも見学したことがあるけども、整経の基本を教えられる人は少ないのではないかと思う。私は、整経がほんとうに上手な方から教えてもらったので、ほとんどすべてを吸収し、プラス、高度な計算や自分の工夫を取り入れたので理論的な失敗が少ないのと、実際に糸を扱うときの作業スピードと感覚が身に付いているので糊の加減とかの問題も回避できることが多い。

整経でも織でも何か問題があったら報告しなさいというのは、正しく報告さえあれば、問題も最小限にとどめることが出来る。織物というのはアセンブル作業じゃないから、後戻りが難しいのである。問題をそのまま次の工程に送るでなく、問題をどう取り除くかがポイント。整経というのも整経という作業だけで食べておられるプロもある仕事、たぶん、麻糸の部分整軽では日本では一番くらいの自信があったりするが、そのくらいでないと残れない小さな世界だと思う。

整経も、技術だけじゃなく、計算が出来ないと難しい。糸量の計算や、糸を実際に分割したり、とらぷったときにそれを助けてリカバーする力。糸の濃さが一巻きのなかで3倍くらい異なる糸を色の濃さごとに分割してまぶして綺麗に使うとかも、整経の技術のうち。糊が甘い糸を整形と織りのテンション管理で問題なく織るとか。糊がキツく伸度のない糸というのは整経で糸が張ったり、ぽろぽろと壊れるので予見ができる。データだとそういう糸でも許容範囲なのだろうが、普通、そういう糸をつかんでしまうと織れないで済めばいいが、織れないと駄目な条件では会社が潰れる話でそういう一つの仕事で大きくトラぶって次も同じことがありうると考えると機屋が廃業を決断されるケースも多い。

糊付けにしてもどうしても織れないときがあって、聞くとサンプルのときと糊剤が違うとか、これだけで糸と染で30万円コースの損害の話で糊付け屋さんが被れない金額の問題。新しい薬剤を使われるときに人柱が必要で、私が的確な駄目という判断をしてあげて、のり付け屋さんもその薬剤が駄目だということが分かるというメカニズム。麻の糊付けでは有名な会社でもそういうことがあり技術面と費用面で助けてあげないといけないことがある。林与が麻の糸を織れないと判断するときに、調子よく織れている台に、3台、4台乗せ換えして、どの台で織っても無理だからこの糸は駄目とか、糊付けは駄目とか結論付ける。作業の途中でもいつもと違う違和感がぷんぷんして心配しながら様子をみるのである。

今日は雨が降っていて、肌寒い感じが少しして、風邪を引いたか。


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