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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

カラミ

2019年08月02日

絡み織の問題で困っておられるという話を聞いて、私の経験で何が原因なのかを考えた。開口がもっと広く開けばカラミがうまく織れるのかというと、糸カラミの場合は、開口が広くなると絡むのが難しくなるだろうと思う。おそらく織りにくくなってきたのは、縦糸のテンションの問題であろうということ、縦糸のビームの巻きの直径が小さくなってくると消極送りの場合には縦糸のテンションがきつくなる。経糸がきつく張ると絡みにくくなる。たぶんそれが原因だろう。

京都の若い方が、岡山からカラミ織機を入れて挑戦されている。中古の織機というのはちゃんと動かなければ粗大ごみ、正しく動いてようやく仕事になる。マニュアルもないので、自分自身が織機を動かして問題を解決してゆくのが仕事という、一か八かの世界。正しい理論で調整を掛けないと、せっかく、正しく動いていた織機もボロボロのバランスになって仕事すらも傾く話になる。

私自身、麻のカラミを復活しようとして動いたこともあるけども、織機の調整の問題だけでは解決できないレベルの問題がほかにもある。本麻の織物など、普通の平織りが織るのが難しくなってきている問題。10回に1回織れないとかでも、その仕事がほかの仕事を止めてしまう、すなわち会社を止めてしまう話になる。仕事に先生はいないということがよく言われるが、自分自身で解決して答えを見つけてゆく世界なんだろうと思う。

日本ではカラミが難しくなっているが、中国では麻の総ガラミなんかが広い幅で織られていたりする。また、中国では電子ジャガードなんかが当たり前に量産の世界で動いていたりする。日本ではそういうのが難しい話なのがやってもそれに見合う生地の市場すらがほんとうにわずかしかないという問題があったりする。京都で織られるカラミ織も海外向けという話。


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