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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

明日18日は米原と大阪

2020年01月17日

明日は、米原の伝統文化産業会館でのイベントにお昼頃参加のあと、夕方4時から大阪のグランフロントでの上田安子服飾専門学校の卒業展を観に行く予定。珍しく外での一日。ものづくりの現場を持たない人からするとそういうのに参加して人脈を広げるのが仕事だったりするのだろうけども、私自身はそういうスタイルの仕事を目指してはいない部分がある。でも、そういう場では、私と同じような仕事に対する感覚を持った人と出会えることもある。商売のつながりはなくても同業の人でも同じ感覚の人にあえると、そういう高い意識レベルが行動に結びついたものづくりでないと普通に高い評価を得るようなものにはならないのだろうと思う。

あるお客さんとの話で、私自身は難しいものをやってみたい思いはあるし、それをうまく料理する人がいれば、他にないものができると思えたりもするのだが、一般的には、難しいものには問題がつきもので、問題が起こるとそこばかりに時間と労力が費やされることが多い。ときには、振出しにもどって最初からやり直しみたいな話とかもある。そういうタイプのものづくりには、無難なものづくりが適していて、あまり高度なものを目指さないほうが結果良いのである。

私自身、作っていて面白いなあとおもうレベルの物は、規格外のあたりに存在をしていて、たとえば、リネン25HDシリーズの厚織リネン。これなんかは、良い糸が手に入らないと耳までリネンでは織れない話で、2年とか3年とか織ろうとしてもうまく織れない時期があった。織機の問題ではなく糸の問題として織れなかったのである。また、ナチュラルな風合いに仕上げたかったので、糊を使わない前提で織るので糸そのものが強度がないと駄目というのも、私が求めた本質的なところ。それを継続してつくるためにリネン25番手の生成の糸の在庫だけでも数トン持っていたりする。糸を買っても織れない屈辱から、良い織れる糸はまとめて買って残しておこうという形です。

耳糸に綿の糸を入れると問題は激減するので、こだわらなければ綿の糸を入れて織るのもありだろうと思う。耳糸などは、基本的には本体ではないので使っても生地としては麻100%生地を謳うことが可能ではあるが、そういう意味ではなく、面白さを追求するために耳までリネンで織るというのをやってそれがどこまで綺麗におれるのかみたいなあたり、賛同してもらえる人というのはそれほど多い訳ではないけども、そういうのに意味を感じてもらえる人もあったりはして、耳までリネンで織っててすごいねみたいなジャンルもあってもよいのかと思っている。

林与の通常のアパレル生地などは耳は左右それぞれ14本ほど、綿の双糸を使っています。それでも耳の辺りはシャトル織機の左右に動くときに糸が張って、密度も高い部分なので切れやすいです。あとストール生地も左右に4本ないしは8本の綿の耳糸を入れてあります。これは耳が綺麗に仕上がるために入れてあります。ストールにしたときに耳がデコボコしてへこみがあったりすると、肌に響くからです。キッチンクロスなどは耳糸を入れていないことが多いです。そういうのを誰が判断するのかというと、林与の自社規格では私自身が耳糸をどうするのか判断して行っています。リネン100%で作りたいと思いながらもダメな時には、あとから綿の耳糸を追加して織りやすくして織ることもあります。


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