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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

myマスク

2020年04月23日

22日の夜から自分の中のスイッチが入って、myマスク制作モード、自分が一番欲しいマスクを作ろうとつくってみた。型紙から自作。外はリネンデニムインディゴ、内側は肌あたりが一番良いアイリッシュリネンハンカチ生地。最高のマスクができてマスク作られている知り合いの方に見せたら、ぱっとみてすごくいい感じだとほめていただいた。いい感じだからもっといい感じになるようにと親身な縫製のプロとしてのアドバイスもいただいた。ありがたい。

なぜ、林与が自分自身で自分のマスクを作ってみるのか、私自身はそれがものづくりの基本だと思っている。もちろん、普段はスタッフの縫製が上手な子に頼んで会社としてのブラッシュアップも考えたりもあるけども、私は経営者なので、例えばマスクに使う材料やミシンのアタッチメントなんかも自分が手に入れて使ってみてよりよいマスクができるなら惜しまない姿勢でないと、会社でマスクをつくっても完成度の高いマスクはできないだろう。マスク用の生地を提案するにしても、いろいろと自分がマスクをつくってみてどういう布がよいのか結論みたいなものをもっていないとおすすめするにしても難しいだろうなあと思う。

自分が材料を考えたり、型紙つくってミシンを踏んで、自分がつくったものを使ってみたりしていい感じなのが大事。自分で使って付け心地の確認や洗ってみるのも大事で自分が普通に洗ってくださいと言えるようなものでないとマスクをつくっても販売なんてできないであろうと思うのは、普段のものづくりの企画で、仕事として企画されている方が、弊社の生地を使って自分の企画したもののケアラベルのことなんかを訪ねてこられることがあるのだけども、自分が企画している商品を自分が洗ってみてどうなのかというあたりが企画の部分の中に含まれていないのが企画としては弱いところだったりして、全部生地の検査の数値で判断みたいなのが素人未満のものづくりにつながる。生地をみてどう料理できるかというあたりでものづくりができる人は、プロの料理人みたいなもの、そこに上手な人と上手でない人の差みたいなものがあるような気がする。

リネンデニムインディゴのほかに、プリーツマスクも型紙から自作して縫製してみた、こちらはリネン60番手の白のいわば不織布マスクの白のリネン版、これも自分が一つのジャンルとしてよいだろうなあと思って、フォーマルな場所で活躍するのではないかと思う。洗えるマスク。そして洗えるマスクに大事なものというのは、たとえば、マスクゴム。布の部分は何度も洗って使えるけども、マスクゴムも古くなってきたり汚れてきたらリプレースしたいと思われる方は多いと思う。

繊維の世界で働いているものというのは案外、逆に自分でマスクを作ったりしないもので、一般の人よりもマスク一つの作り方にしても知らないことが多いものだろうと思う。それではアカン気がするのは私の持論で、一般の人にものづくりで負けていてはその道で食べていくというのは難しいだろうと思う。

ファブリカ村の北川陽子さんと順子さん姉妹が、うちに生地を見に来られた時に、マスクの話をしていてマスクゴムが手に入らなかったので8コールの一般のゴムを代用として使うために使ってマスクをつくってみた。やっぱりそれを今みるとマスクゴムの部分が弱い気がする。デザイン的な部分だけではなくて耳への圧迫感という負担も含めて。私がマスクゴムプレゼントを思い立ったのも、マスクを自作される方がなかなかマスクゴムが手に入らないというところと、もう一つが、手に入っても私と同じ経験をされることもあるだろうと思うから。北側姉妹もマスクは手掛けておられて2か月ほど前に私の作った試作をみてゴムが残念ねえとダイレクトな感想。そういう意見も第三者的な試作に対する意見としてありがたく今の私のマスク制作に生きている。順子さんが自分で自作されたマスクをつけておられたがいい感じのものでさすがだなあと思った。案外、繊維の業界のプロでも周りの材料で自分で味のあるものを生み出せる人といいうのは本当に少ないから。

マスクゴムの代用は決して悪いことではないけども、手に入るなら手に入れたい人は多いだろう。マスクゴムじゃないと駄目みたいな考えは私は決してもってはいないのは、普段仕事をしていて、創意工夫で代用品で織機を修理したり、新しい手法で仕事を効率化したりしている。母親が買ってきた道の駅のマスクはマスクゴムの代わりにストッキングをマスクゴムの代わりに使われているとかも一つの方法だろうと思う。それを明記もされてあって一生懸命さ伝わってきて好感が持てるのである。マスクがなければハンカチやタオルをマスクにとか、Tシャツをマスクにするとかも、大いにありだろうと思う。一番大事なのは、マスクが必要なのにマスクが手に入らないのを改善するところ。

ハンドメイドの人が自分でマスクを自分用のマスクを自作するのと同じで、私もマスクを買うでなく、自分や自分の会社でつくったものを自分は使いたいとおもうから。また、多くの人にも自分が自分でマスクを作ってもらいたいなあと思う。もちろん、ミシンがなくて作れない人もあるだろうし、その場合には市販のマスクを買われたり、布マスクを買われたりもするだろうと思うし、とりあえず、マスクが必要な人に必要な分量のマスクがいきわたることが一番大事だと思ってはいる。

私自身がマスクを極めたいのは、マスク用に適したリネンはなになのかとか、それを自分自身が持たないとハンドメイドされる方にお勧めもできないし、せめてハンドメイドされる方と同じくらいの経験はもっていないと、マスクをつくることの意味も分からないかもしれないと思う。昨日やったことも、立体マスクの型紙は、外と内側では、大きさを変えてより問題を少なくするとか、一般的には内外は同じ型紙をつかわれるだろうけども、内側はやはり小さいほうが、口に当たった時にも、波打って当たるじゃなくて、面として鼻や唇に当たるから、違和感が少ない。内側には肌辺りのよさそうなガーゼ生地を使うとかが失敗はしにくいモノづくりだけども、硬い生地を使っても型紙次第で、肌辺りを少なくしてしかも面として綺麗に当たるようにすれば肌辺りは改善される。型紙をいろいろ触ってみるのも案外面白いなあと思える。

知り合いのパターンなーの方も、ハンドメイドが上手な方で、マスク作りにもいろいろと手法の面で協力をいただいていて、私自身は、自分が今までやったことのないマスクを本腰でやろうとしても、恵まれている環境にあって、自分自身もそこそこ器用で人柱が当たり前で経験積んでいるので、いわばハンドメイドの方と同じ。プロというのは逆にもうけを考えるのでリスクを犯さないからものづくりが下手で、それゆえに経験が少なく、一般のハンドメイドの人にも負けたりすることも多い。ものづくりやデザインの世界の人がパクるのが本業になったら終わりなんだけど、アイデアだけで生きているとどうしてもパクって安く作って儲けるみたいな考え方に陥りがちでほんとそれが繊維の世界にいても多すぎて残念なあたり。一個一個、時間や体使って、作ることそれこそがプロの世界でも大事で、それが働く人を支える気持ちにもつながる。

私が繊維の世界にいて残念に思ったのが、別に悪い仕事でもないのに自分が動いてものをつくることを経験者ほど面倒がる人が多すぎて、それでいてしっかり自分たちの面倒をみてほしいと要求される。ブラックだといわれがちな繊維の世界だけども、繊維の世界がホワイトになろうとするほどに、本当に覚悟決めてほかの人も支えようとしている人間は自分の時間もないだけでなく、寝る時間もなく超ブラックの世界に入る。私自身は別にそれでもよいと割り切って、自分でリスク背負って経験積んでだから、逃げてばかりのお金儲けの世界とは逆のところで生きていければよいのになあと理想をもっていて、働くことを悪いこととか、面倒とかだけは正当化したら、それは働かないで儲けたいブラック思想そのもので、それがあるから、途上国で児童労働に結び付く。先進国が働かないで途上国に労働を押し付けた時に、その途上国の弱者が働いて、先進国のホワイトな生き方を支えているだけのこと。ホワイト社会とブラック社会は、表裏一帯で同じもの。



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