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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

下方硬直性

2021年02月17日

いろんなことが難しいのが今の日本。不景気になるとものが安くなるのかというと反対に高くなるとか。不景気のときには、柔軟な労働力の移動が大事なことの一つだろうとは思うのだが、労働を硬直させてしまう制度があって、不景気の時ほどものは高くなるみたいな普通はありえない話。

不況な時には仕事を生み出す力がないといけないのだけども、今の職人の世界も1時間いくらのサラリーマンの世界が普通で、これは今に始まったことではなく、ひと世代前の仕事がなくても給料がもらえるサラリーマン職人が当り前になった昭和の時代から。食べていくのが難しくなったときに働いて食べていく道を模索するスタイルが消えてしまった。

昔いつも閑散期になると電話くださる社長さんがおられて仕事探ししておられ、従業員を抱えておられ仕事なく大変なのが伝わってきた、そういうのに応じて閑散期にお金を使うのも厳しいけど仕事をなんとか作ろうと林与も昔は動いて来たが、林与も外の世界にいくとそういう仕事をさせてほしいみたいな業者さんがすごく多いので、それが本来の自分が仕事して食べていくために必要なスタイルだとも思う。なんでも一生懸命にやりますみたいのがなくなるといろんな問題も乗り越えていくのは難しいだろう。

創意工夫とか試行錯誤みたいなのがなくなるとできることもできなくなって、人の力というのは同じ設備や環境でも違いを生み出すためには大事だなあと思う。林与の設備にしても一番新しい織機でも40年選手だったり、あとは人の地道な力でしかないと思っている。

今話題の仮想通貨なんかにしても、日本で仮想通貨が生み出されるのかというと、それは無理な話で、多くは中国の1kwが1円の水力発電の電力を使って、中国製のマイニングに特化したマシンから。日本で高圧で、1kwが安くても13円とかではそもそも競争にもならない話。低圧や家庭100vの値段ではやるだけマイナスな話。でも、それが今の日本のものづくりに共通するような問題。

国レベルでなにやっても成り立つような基盤をつくっていかないと、役人や殿様商売型の企業だけがゴミも出さず利益を集めて成り立つような今の日本ではダメだろうと思う。トータルで成り立つような社会を目指していかないと、もう器用だったり忍耐強い人も少なくなって、頭だけじゃなく器用さと忍耐が日本のお家芸だったのに。


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