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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

小銀刺用リネン

2021年03月05日

昨日、ようやく機もできて通し終わって小銀刺用リネンの織出しが完了した。ちょっと耳そばが切れ易くて難儀したけどもようやく今朝落ち着いて一気に織れそうな状態。織物というのは、織り子さん的な織るだけの部分というのはそれほど難しくなく、正しく織れるようになるまでのところが案外苦戦して時間をつかうことが多い。二人掛かりで数日、1mも織れずに準備とかも普通の話。

小銀刺しの布は普通の布とは織るときに異なることがある。それは筬の糸の通し方で、普通は筬一目に2本の糸を通して織るのが普通の織物なのだが、小銀刺用の布の場合には、筬一目に1本の糸。なぜ、普通の織物は筬一目に2本なのかというと、織ったときに打ち込んだ横糸が戻らないようにしっかりとホールドするためである。それでは小銀刺の場合にはなぜ筬一目に1本通しで織るのか、それは荒い織物であり、用途的に刺しやすいように碁盤の目がしっかりときれいに出るようにするためには1本通しが適切だと私は思うから。

昨日は、糸商さんから問い合わせがあって太番手の織物を織れないかというようなお話。林与でも織れないことはないのだけども、織機の特性などもあって1回何百メートルの量産は難しかったりする。100メートルとかだと織れるけど結局、毎回100mの整経で繋いで織ってやっていると、特別な値段が通る様な用途用でなければコスト的には難しいのではなかろうかとお伝え。織物としてできないじゃなく、コスト的に高くなって量産が成り立ちにくいだろうからみたいなお話をさせていただく。器用な織機であってもそれなりに得手不得手はあったりするもの。


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