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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

糊付け

2010年06月15日

今日は、糊付のために加工出しをいたしました。麻100%の糸ですが、毛羽があるので、それを抑えるための糊付けです。糊加工でもいろいろな種類の糊があり、それぞれに特性があることをお話の中で今までの知識以上のことを知りました。そこに、自分のもっている知識と掛け合わせて、より、リネンとしてナチュラルな風合いを求めることが可能になるのではないかと考えます。

本麻にしても、昔の本麻というのは、本当にきれいなものです。シルクのような光沢感が売りで、今のマットな感じのラミーとは比較になりません。昔の本麻というのは、加工工場でもつるつる滑って扱いが大変だったそうです。本来、そういう世界が日本の麻の世界であって、今の時代にそんな本麻をみることは不可能に近いです。

そんな本麻を見かけられてこれがほしいと言われる方はその道のプロで、麻関連の和装業界の中でも、そんな何十年も昔の良いものを扱った記憶をお持ちの方というのはごくわずかだと思います。

日本の織物が使用した糸の材料が良かっただけでなく、紡績技術、染色の技術、織物の技術、加工の技術と、すべてが揃っていた時代がありました。今、麻生地をつくろうとしても、すべてを調和するのは本当に難しいのです。

このことは、各企業努力というレベルの問題ではありません。基本となる部分を海外に持っていかれてしまっては駄目なのです。高級なものだけが日本に残ると言うのは幻想で、高級なものと言うのは通常の生産基盤があって、その余力を使って作る側も無駄を覚悟で生産するものなのです。安いものは海外で高いものは国内でと考えられる方には、なかなか理解が難しいと思います。結局は、産業を支えるためには、人の生活を支える力がなければならないのですから…。モノだけ見ていては駄目です。


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