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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

道具

2021年08月04日

麻織物全般を考えるときに、普通に仕事が流れていた一世代前とは違って、今の日本の繊維の世代は、前の世代を一つの仕事にしても超えていないと今の日本の織物業界では残っていけないという現実がある。

大人よりも小学生や中学生のほうが、素直に正しく言われたことをやろうとする努力もするのが日本で、日本だと大人になると仕事が難しい人というのは多い。最初の日の気持ちで仕事が続くとよいのだけども、どうしても仕事に慣れると最初の日よりも仕事に集中が出来ないことも多くて、それが人間というものだろう。

一般的には経験のある年配の人ほどどうしても難しい仕事が無理みたいな話になってくるのも、私にもそういう時が来るのかとは思うけども、目の前の一つの問題がなかなか解決できないようになってしまうと仕事をしてほしいと頼まれても、作業する人の力を考えた時に仕事を受けることもできなくなる。

私がまだ仕事をやっていけるのは、織機のベテランの経験者の人が何か月掛かっても解決できない問題を普段織機を触っていなくても、織機がどうやって動くかを一から考えながらどこに問題があるのかを経験でじゃなく、考えて原因を見つけることが出来るからだろうと思う。

シャトル織機というのは、電気的じゃなく機械的なので動きをたどって行けはどこに問題があるのか見えやすく、その問題を直してあげると機械は今までの問題は何だったのかと思うほどに普通に正しく動いてくれることがほとんど。

そういうのを考えていくと慣れで仕事をこなしている職人的なレベルでは、新しい機械やディバイスを使いこなせない話になり、今の時代の仕事は難しいことになる。織物の設計にしてもエクセルとかで単純な部分の計算をして、糸量を割り出したりとかができる人は私の会社では過去からみても私だけだったりと、他の人が計算機では複雑になりすぎてできない計算になってしまってやらないを、コンピュータで計算すると数分でできてしまうのも織物をしてゆく上では大事。柄の本数の割り付けをするときなどにもコンピュータは便利。

目的のために便利に道具を使いこなすことも大事で、そういうのが結局、普通の人の何十倍の量の仕事を、正確に分かって仕事をすることにもつながる。それができると仕事のカバー範囲も広がって、広く深くにつながる。糸を輸入したり、生地を輸出するにも、インボイスを書いたりするのもコンピュータが使えなければ今は駄目だったり。

奨学生のころから便利な道具であるコンピュータが欲しかったけども、親がコンピュータ否定派で買ってはくれなかったので、雑誌の中綴じ付録のキーボードの実寸大のページを使って、ブラインドタッチを覚えたりしていたのが、今、人生にも仕事にも生きていて、親はコンピュータは使えないままで、前の世代のままでは大きく傾くばかりでそれを立て直すのにも、今の時代に通用する仕事以外の力みたいなものが役に立っている。

コンピュータを使えないなら使えないで紙で管理するのも悪いことではないから、自分のやった仕事を紙に記録して次からは自分の力で再現できるような人だと同じことだと思う。他の人に仕事の用意をしてもらってそれを与えてもらわないと何が正しいのか分からないというような状況だと、1回1回の仕事が浅くて多くの助けが必要になってくる。



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