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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

織物現場体験

2022年03月19日

今日は土曜日だけど、大阪から織物の現場体験にお二人、繊維全般に関する知識と織物全般に関する知識と実際の織物の現場の体験してもらうことが目的。

初日の午前中は、糸の番手についての話。綿の番手、麻の番手、ウールやシルクの番手の違い。案外、何番手の糸を使った織物と言っても、その番手の意味を太さのイメージとして持っておられる方は多いかもしれないが、実際にはそれぞれの番手がどうやって決められているのかということを説明。糸の番手の厳密な説明は、絶対に1回や2回きいたところで覚えられるようなことでもないので、最初に1回教えてもらって、あとは、自分で必要に応じてネットで調べてその都度、糸量の計算などに活用すればよいと思う。番手の説明の後は、糸を機結びを練習してきてもらったので、それを確認してコツ的な部分を体得してもらう。

そのあと現場に入ってシャトル織機を動かすところを見てもらう。そして、シャトル織機を自分で動かすのを経験してもらう。30分ほどの練習で、シャトル織機に慣れてもらって、経糸が切れたり、横糸がなくなって止まった織機を、動かす練習。これがうまくできると織機を実際に動かせるので職人気分を味わえる。あとシャトルの管に残った糸を片付ける作業なども経験してもらって、工場の中を織機を停めずに忙しく動き回って手が空いたら糸の片付けみたいな、普段の現場の人と同じような感覚を知ってもらう。

私自身は他の進めないといけない糸を割ったり整経などの作業があるので、その作業をしながら、分からないところや問題が発生したときにヘルプするような形。初めての経験のお二人だったが積極的でかなり呑み込みが速く、頭では作業が理解できて実際に織機を動かすことで織物は織れて行く。初めて織機を触っていきなり織物を織るというようなことは異次元の感覚かもしれないけども、物事をするときに毎回高い壁を平気に乗り越えてゆくような姿勢で取り組んで実際に成果を生み出していくやり方こそが、ものづくりの世界で食べていくには必要な肝の部分ではないかと思う。

現実的な作業を高度なレベルでこなして行く、織物を作っているのだけども、ジャグリングのパフォーマンスあるいは花の蜜を求めて花から花へ飛び回る蝶のように次から次へと織機を動かす。人生観的な違いや仕事観的な違いが、モノの価値を考えるときに違いとなったり、考え方の違いで行動の違いも生まれてくる。行き詰まったときに解決してゆく切り口のようなものを何通りも検討して試して行けるような柔軟性と行動力が大事だろうと思う。まあ、底辺に思われるような工場の現場作業の内容にしても案外レベルが高かったり、一方で職人しかできないと思っているようなことがそれほど難しいことでなかったり、そういうのを知るための体験の機会。


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