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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

特別というわけでもなく

2022年11月30日

林与が森岡出張でレンタカーして云々というのが繊維業界で特別なことなのかというと、東京の人気のリネンの生地屋さんの社長と親戚の方も、関西で百貨店イベントがあるとお二人で、お店の生地をレンタカーしてもイベントに。そういうのも普通の従業員なら難しいところがあって、どこまでが仕事なのかも経営者の感覚と従業員の感覚があわないとバランスが取れなかったりする。従業員だと基本8時間とか10時間しか作業は出来ないから、道中は作業時間ではないとか拘束時間ではないとか、でないと海外出張とか遠方への出張も無理で、自分で一人旅で行ってくれるなら分かりやすいけども、自分自身で移動ができないと経営者と一緒の道中の部分までも労働時間にカウントとかになってしまうと難しい。

本人のそういう事情で出張なんかもついてくるのかとかそのときの条件なども伝えて本人の希望次第となるのだけども、そこで職種が工場内での専業になってしまって展示会でお客さんと会うこともなく、トータルな目でものづくりを見ることが難しくなる。お客さんとのコミュニケーションというのは大事な部分で、自分の知らない人の仕事だとモノを作る部分しか見えなかったりして、誰がどんなふうに期待を寄せて頼んでくれているのかとか、そのお客さんの手掛けておられるお店のことやものづくりのことなどが分かっていると、どんな色柄の物をつくればそのお客さんの売り場で売れそうなものになるのかとかが分かってくる。

ものづくりが単なるモノづくりでは終わらずに、売れるモノづくりをしていくためにはお客さんのニーズやテイストにあったモノづくりをしていかないとミスマッチが起こる。そういう面で、相手の価値観に妥協できたりとか多芸でないと、せっかく頑張ってものをつくっても、独りよがりになりがちで、人と人との間にある感覚の違いがあると、お客さんの求めるものをつくることは難しくなる。なるべく、経営者マインドを持って成果主義的な感覚で、企画をしているブランドオーナーやデザイナーの人といろんな話をしてそういう経験豊富な方の求めているようなものが、なるべく的確にイメージできるようにならないと、ものづくりの仕事も自分のテイストの範囲の狭いモノづくりになって、一生懸命にやっていても、同じテイストの人にしか作ったものを提案が出来ないことになる。

別の言い方をすれば、繊維全般という広い世界の中で、天然繊維で麻という素材に特化したとしても、その麻の素材を料理するのは自分の力だから、いろんなことができずに一般的な普通の定番素材だけを作っているだけでは、仕事としてそれが忙しく売れていればそれでもよいかもしれないけども、仕事として成り立ちにくくなったときにそれにこだわってそれだけでは成り立たせるのが難しい時に、幅を広げて新しいことをトライしてみるのかとか、それも自分が主体となってやてみるのか、他の人が主体で任された部分を忠実に成し遂げるのか、主体とならずに任された部分を自分自身が自分のやり方で終わるのかで、達成の度合いというのは相当違ってくるだろう。一番楽なのは、主体とならずに任された部分を自分自身が自分のやり方でやるという方法。そこには自分だけでお客さんが存在しないから自分流にやって終わりというだけのゴール。コミュニケーションレベルが低いとそういう状態に陥り勝ちだったりで、ひとつの完成度の高い工程にはむすびつかず、最終的にも完成度の高い物をつくることは難しい。

そういう完成度の高いものづくりというのは、注文したお客さんの求めている基本的なあたりで、テイストだけがよくても品質的なものが安定していなければ、仕事をしても余計にややこしい問題になる。現場で働いている人というのは働く時間ばかりが気になって、作っているもののクオリティ的なところは出たとこ勝負みたいな感じのままで、いつまでも自分自身が安定して作業をできないとそれは働いてもプラスにはならない、仕事しても問題が増えていく。そういうのが分かってくるとようやく正しく仕事することが分かって、一回勝負で正しくモノがつくれるようになり始めるとプロな世界。頭の中にあるものを、10個作って10個同じものが速く正確につくれれば、それは食べていける世界で、一つ二つでも同じでないものができてしまうとそれを直す手間というのは、作る以上に時間が掛かるだろう。それでもそれを直せる力をもっていることが必要で、それは自分が失敗しなくても、他の人が失敗したときに助ける力がないと他の人を育てることは難しいだろう。

イベントなんかでも想定外のことが普通に目の前に起こることが多く、自分自身が判断してよい場合と担当者の指示に従わないといけないときとの区別など、自分がよりよい方法をもっているからそれをやらないかという自分提案型の人だと余計にややこしくなることも多い。人が多く関わるようなイベントでは、自分ができることがなにかではなくて、その場のルールみたいなものが分かっていないと行けなかったりもすることも多い。そういう場所では責任者的な感覚も必要で、私は分からないから会社の他の人に確認するとかでは、それで時間が許せばよいけども時間のない時などには、経営者という立場なら、自腹を切ってみたいな解決方法もできてりするだろう。たとえば、6時までが働く時間で、6時半まで作業が伸びた時など、6時まで働くで作業が終わらなかったらどうするのかとか、やってみないと作業時間なんてわからないし、いろいろと準備や段取りをできるひとほど作業時間は短くて済むし、準備や段取りを前もって出来る人というのは自分の仕事の準備まで考えることができて一人前だと思う。


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