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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

いろんな方のアドバイス

2023年07月20日

私自身が、常に仕事に追われているのを知っている方々からはアドバイスをいただくことが多いのだけども、地元の業界のある方からは、看板があるんだからその看板を使ってどこか安いところでつくってうらはったらよいだけやんとアドバイスされることも多い。でもなあ、結局、他につくってもらうとその作ってる人が本物になるわけで、お金を儲けるという目的ならそれでよいのだろうけども、それが目的じゃないところが大事で、産地で織られる麻織物というのが途切れそうなのを仕事に入った25年前から感じていて、当時から、林与の産地での特色というのが麻を織っていることだった。

それから25年ほどたっても、まだしぶとく織っているんだから、それなりにそこに一番の意味を感じてたりする。産地でも一番の問題は織物の作業できる人がいないこと。産地の特色的な麻織物の先染めの細番手が一番得意なのも林与の特色でそれが他の産地とは異なる近江湖東産地の特色とも被る。先染めの細番手織物だと、林与個人が、世界でも無二レベルで挑戦する人もほとんどない。手織りですらも少ないだろうけど、それを超えてシャトル織機やレピア織機で量産してみようとするから、そういうのに挑戦できるのが、自分個人の力だけでなく、産地の強みだったりするところ。

世界に誇れるような日本の麻織物の世界というのは、海外で安くつくる麻織物とはアプローチがまったく逆で、自分自身がどこまでやるかがポイント。他の人がやってもできないことを自分だったらやれると、自分なりのベストを尽くそうとする。それがもちろん空回りして深みにはまってしまうことも多い、特に、他の人との感覚の違いとか、安全に守られたいような感覚とは異なり、そのあたりが今の楽に働いてを美しいお金儲けを目指すみたいなSDGs思考とはぶつかるところ。外に見える謳いばかりで、業界ではありえないすごいことをやっているを謳うばかりで消費者を煽りながら、そのための地獄を見る覚悟や結果や本質がなければ駄目じゃないのかと思う。

世界最高レベルの世界というのは、墓穴を掘るような世界で、儲けるとか考えたら絶対無理、同じくエシカルな世界も、気軽なエシカルだと、逆に地道な人をつぶしていくだけのことで、今の国連レベルのSDGs。お金が儲からんと意味ないやんを国連レベルで推進は本当に残念そのものというか、日本の国連レベルのSDGsの受け止め方が、地道な日本企業に目もむけずに金儲け的な大手繊維企業にありがちなSDGs。SDGsにしても、国内で利害が対立しすぎているのが現状で、働くことを重視する地道な昔ながらの世界が一番駄目だと評価されるのが、今の日本のSDGsの世界で大丈夫なの?


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