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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

人の力

2024年04月18日

昔から仕事していて思うのが、繊維業界というのは人の力が重要な要素だなあと思える。作業スピード、正確さ、責任感など、地道な作業を成り立たせていくために重要な要素で、できる人は当たり前に働いている間、全力で作業することを心掛けていて、他の人の何倍もの仕事をてきぱきとこなしていくことができる。そんな方に林与も仕事のはじめを教えていただいて、作業する時にはその気持ちでいたいなあと思う。

日本の繊維業界というのはかなり厳しいなあと思うのが、昔だったら人が集まってやっていればものが売れて成り立ったのだけども、そういうのが海外で安く作れる形になっただけでなく、海外でも高品質なものが当たり前につくられるようになってしまって、日本国内の昔のスタイルが追い抜かれてしまったという現実があって、日本国内で集まって作っているだけでは難しいというあたりで、高コストな日本ではよほど意欲をもって、仕事を自分でこなしていくような姿勢がないと難しい。海外との競争とかが普通にあるのを理解していないと自分が普通にしている程度では駄目で、スピードと正確さと責任感が求められるのが今の日本。

昭和の良い時代の現場の感覚がまったく通用しなくなったのが今の時代で、令和の時代に今の林与的な感覚がすごく批判もされたりもしたが、それが結局、業界で成り立たせてゆくためには当たり前なことで、高度なものづくりをどれだけ高めてゆくかということ。今作っているもののほとんどが、シャトル織機での生産で、定番の曽部と仕上げを除いては、普通のものはほとんどなかったりもする。

現場で機会任せに普通に織れるものというのは、あったとしても、それを普通に織れるようにしないといけないのが現場の人の仕事で、織る力が必要になってしまったのが今の時代で、一昔の工場をまかされているレベルでも今の時代の織物というのは厳しすぎるのが現実で、そういう甘い感覚がまったくないのが今の繊維業界。普通にいろんなことを自分が見えていないとほかの人が全部準備してくれるが当り前で片付けてくれるような海外の大量生産の現場の感覚では難しい。

林与も、働き始めてすぐに、おじさんに自分たちの面倒をみてもらわないとこまるみたいな話をされて、それが普通に田舎の感覚なのだけども、今の時代の若者がそんなのを頼まれても困る話で、とことんだらしなく年配の方たちが若いものに甘すぎるものを求められても困る話で、そういう方々が先代に頼って先代が驕ってしまっての昭和の時代の感覚で、もうまったくそういう人に頼れば甘えればなんとかなるみたいな感覚が通用もしていないというのに気が付かないと難しい。

そういう方たちが頼ってきた先代でも、次の世代からするとまったく、食べていくのが難しいというのが現実で最初の日から仕事はしていて、先代の驕った感覚と先代に頼って面倒を見てもらう感覚というのが、ほんと、驕って食わせてたるみたいな感覚と頼って食べさせて感覚で成り立つはずもなく、普通に繊維業界の厳しさを認識して日本の高度なモノづくりを実践できる人でないと無理だと思うし、先代のような典型的な驕りが昭和の時代にも通用していたのかというと、単に人のよいカモでしかなかったのかと思うほどで、普通に世間の当たり前が分からないとそこで離れる覚悟はないといけないが、そういうのがないできないと今の繊維業界の厳しさを乗り越えていく覚悟があるのかないのかという辺りは本当に難しい。


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