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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

リネンの収縮検査

2009年08月23日

昨日の夜は、地元では地蔵盆が行われました。子供たちにとっては夏休み最後の一大イベントで、子供の頃の地蔵盆の準備で夏休みが毎日楽しかったことを覚えています。仕事でバタバタしていて、今年も地蔵盆を夜見に行くことはできませんでしたが、子供の頃の良い思いでです。

今日は、加工から上がっているリネンを社内でテストしています。よくネット販売などで、「生地はかならず水通ししてからお使いください」という注意書きを見かけられると思うのですが、このことは、服を作って、洗ったらサイズがすごく小さくなった、なんてことがおこります。リネンのハンドメイドの服はゆったりとしたものを作られるケースが多いので、大丈夫な場合も多いのですが、襟付きのぴったり目のシャツなど作るときには水通ししたほうが安全です。特に輸入生地は、物性がノーチェックで製造されていたりするケースが多いので、水通しは確実に行ってください。

林与では、何年も前から家庭洗濯可能なウォッシャブルな素材の開発に取り組んできました。弊社の本麻(ラミー)、綿麻(コットンラミー)の無地系の先染素材は、家庭洗濯可能な水準に達しております。また、通常は、リネンのもので収縮率を3%に抑えるというのは難しいのですが、長年の実績から信頼できるメーカー糸の使用、織の規格、加工方法の指定などで、かなり良いところまで来ており、アパレル向けのリネン100%のものでもウォッシャブルを謳える水準のものを作ることが可能です。単に、織るだけでなく、品質が世界でも厳しいとされる国内の基準により当てはまるように、染色や加工の面でも努力しています。

麻というのは、水分の吸収力が高いというのが長所なのですが、その裏返しに、糸の中に水分を吸収するということは繊維が変形し水分をためることになります。繊維が伸びたり膨らんだりすると布が伸びたり縮んだりするのです。加工で、防縮加工用の樹脂で水分の吸収を抑えたり、スリップ止めの樹脂で固める加工があったりしますが、物性はよくなっても麻の風合いや水を良く吸うという麻の長所が損なわれることになり、通常以上にそういう薬剤を使用し物性を改善するのはあまり良い方法ではないと考えるのです。

林与の考えるのは、糸の紡績工程に置いて湿紡の技術に優れたメーカーの高品位の糸をセレクトし、糸の染色方法、織の規格で仕上がり巾を想定し、安定した実績のある加工をチョイスすることで、従来の加工方法のまま収縮率を3%に抑えようと取り組んでまいます。長年の経験が安定した品質を生み出すのに役立っています。林与の布も完璧ではありませんが、単なる色柄デザインだけでなく、こういった配慮を行うことで、より安心して長くお使いいただけるような布づくりを目指しています。


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