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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

きぬあさ 刺し子

2011年02月02日

昨日、倉庫に行って、メンズのシャツ地向けに綿麻の生地サンプルをお客様に頼まれていたので適当なものがないかと探していたのですが、下のほうから、なぜかマグロを思わせる紺色の反物が出てきました。なぜ、こんなところにサブロク(91cm幅)の反物があるのかと思ってみると、それが、マグロのように黒光りしていたのも、きぬあさと呼ばれる着物用の麻糸を使用した織物だったのです。

完全に妥協のないつくりで、これが本麻かと思うと麻の価値というものを本当に感じることができる一品です。林与が和装から洋装に転換しはじめた、昭和40年ころの作だとおもうのですが、見た目は光沢感があって未来の織物のような感じがします。糸使いが異なるだけでなく、密度なども今、林与が作る織物の世界の1.5倍以上のスペックのものです。

誰が見ても価値がわかる簡単に売れるはずのものが、そのまま林与に残っていているというのは、林与特有のものづくりに思い入れが強すぎて売らずにとっておいたのだと思います。江戸時代なら大名が着るような素材だと思います。


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