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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

色による物性

2011年02月16日

昨日は、午後から組合に立ち寄りまして書類作成のための資料を集めていました、今日は、午後までにその書類を一応完成しまして事務局のほうに送りました。午後は、泥染の先生からお電話いただきましてよい感じで染まりそうということで、染まったあとどんな感じになるのか興味津々です。ハンドメイドや染色家の方が、ちょっと違う世界を求めて林与の生地にたどり着いて下さることは非常にありがたいことです。

午後からは連絡がありまして、サンプルに使った黒い色の糸がグレーの糸の摩擦堅牢度の問題があるということで、本番に向けて、本番用の糸の染めのテストを行わないとなりません。アパレルさん向けの素材づくりというのは、デザインだけでなく、品質が常に大事なのです。もともと、本麻のものなどに関しましても、黒に関しましては摩擦堅牢度というのは悪いのです。濃くしっかりと染めれば染めるほどその問題が出てくるのです。濃く染めないと中までしっかりと染まりませんので、白っぽいメローな黒になります。

一般的な黒の摩擦堅牢度の問題なのか、あるいは、サンプルに使った糸の問題なのかを見極める必要があるので、使用しているリネンの黒と、レーヨンのグレーの両方を本番用に染め直してみて、数値を見てみないことには判断ができませんので取り掛かります。

同じ規格であっても、色によって数値というのが異なるケースがあるのです。あまり染色工場の方もフィードバックがいかないとは思うのですが、色の濃度が濃いほど染料が素材と化学変化をしていますので、素材の物性もより変わってしまうのです。企画するときも麻関連は、生成、晒、黒のものを企画すると、その物性が極端に異なることになります。同マークで扱って、同じキバタを使っても、仕上げが、生成、晒、黒というだけで、風合いや物性ががまったく異なるということが起こるのです。

色が違えば別物というほどの気持ちでものづくりしていることも多かったりします。そのため、色に応じて染色方法や染料を変えたりもリネンや麻を扱う上では大事なノウハウの一つとなってきます。林与も単に織物をデザインして織るだけでなく、いろいろな数値をクリアするために素材のこと考えるのも仕事の一つです。


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