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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

画像: 近江上布と先染

近江上布と先染

2009年06月17日

「林与」の歴史は、與次右衛門じいさんが創業したとなっておりますが、與次右衛門じいさんの親父に、お酒の大好きだった勘平じいさんがいます。勘平じいさんは、なぜかヨジヨモンを襲名させてもらえませんでした。やんちゃものだったと聞いています。その勘平じいさんも近江上布のデザインをしていたことが過去の帳面で分かっており、我が家で、織物を織っていたことに関してはもっと遡るのではないかと考えています。というより、近江上布というのは、それ以前から近江の文化だったので、「林与」の家にはずっと昔から機があって、それを、「林与」に嫁いで来たおばあさんたちが代々織っていたと考えています。

今ではこの産地でも、数人だけしか織手が残っていない近江上布ですが、「林与」には、何十台もの当時の機が残っています。また、「林与」には、昭和の前半以前に作られた近江上布が残存しています。再現の不可能な年代ものの近江絣本麻上布が反物の形で機元に残っているのは非常に珍しいです。文化的な価値があるだけでなく一見して価値を感じてもらえるようなものは、買い手がすぐに見つかるので、売る気がない限り、手元に残らないのが普通なのです。

「林与」には、もう亡くなられてしまったのですが染めの伝統工芸士が二人いました。このことは、「林与」が、「林与」独自のデザインの近江上布を作り、近江上布の文化を創造してきたことと深く関係しています。近江上布というと、無地や藍で染めた絣文様タイプの男っぽい幾何柄が多いのですが、「林与」の近江上布は一見して華やかで、絵画をみているような感覚に陥ります。

織も一本一本柄を合わせながら織っていく手間の掛かる仕事なのですが、その柄のデザインに力を注ぎ込んできたのが「林与」の近江上布でした。現在は、麻の先染といえば「林与」といわれるくらいにまで、麻の先染織物に強い「林与」なのですが、それは織の技術だけでなく、織物におけるデザイン重視の姿勢を引き継いだからかもしれません。


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