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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

プレミアムテキスタイルジャパン最終日

2011年05月12日

非常に煮詰まった一日を体験させていただき、2日目すでに最終日です。今日は、アパレル様とのビジネスマッチングを4件いただきまして、一日の半分は別会場の8階でおりました。ブースがお留守になってしまっており、来ていただいた方には十分な対応ができずにすみませんでした。

今日は、午前中に昔京都吉忠さまにおられた方が林与のロゴを見られて、「林与織物」でしたか?ということで話しかけてくださいました。30年昔の麻ブームのときの話で盛り上がりました。今は、京都でシルク関連におられるそうです。

またハードマンズ社のアイリッシュリネンのプロジェクトをご覧になられた糸商さんから当時のリネン糸の話をお聞きすることができました。やはり、共通項としては、ハードマンズ社とアンドリュース社のウォーターレッティングの話に尽きました。その糸も弊社には残っているので、やっぱり、林与が使わず残したのはそれらがその当時でも手に入れるのが大変なクラスの糸だったからだと思います。

ビジネスマッチングの会場です。リネンの糸の「亜麻色」の話がでたときに、亜麻色とは金色だという話になりました。亜麻色というのはグレートかベージュとかいう認識が定着し始めていますが、本来亜麻色というのはゴールドなのです。先日、5000円以上お買い上げの皆様に木管巻きをプレゼントいたしましたアンドリュース社の80番手のゴールデンアイリッシュリネン糸は、日本のリネン業界の方が35年ほど前にあこがれたゴールドカラーです。亜麻色なんだと思います。北アイルランドのリネン織物では、晒と生成の二つが有名で、染めることは少なかったがために生成の色にすごくこだわったのだと思います。その理由も、アイリッシュリネン紡績が終焉を迎えたのもウォーターレッティングができなくなったことが影響しているのではないかと思います。

ブースにお越しいただいたお客様からは、保存液に漬けてあったであろうフランスのアンティークブラウスを見せていただくこともできました。クチャクチャでパフパフなシルクを思わせる感触です。100年以上昔のものということで、リネンのたぶん200番手超えのクラスのものではないかと思いました。非常にきれいなので紡績糸だと思うのですが、感触がよくしわにもなりにくいのです。よいものを見せていただきました。再現してくださいというお言葉をいただいて、「いやあ、これほどのものは糸からしても難しいです。」と正直なお答えです。少量だと糸も見つかるかもしれませんが、織物は縦糸から準備すると2kg、3kgはテストでも必要となってきます。織れるか織れないかわからないものに動きにくいと思います。そんな糸が手に入ればぜひぜひチャレンジしたいですね。

皆さんがコレクションされた世界のよいリネンを触ったり見せていただいたりできるのは、うれしい限りです。そこにはものづくりのヒントがたくさん詰まっています。林与の幻のリネンプロジェクトでは、細い細いリネンにチャレンジしたいと思います。500番手を超えていければと思いますが数年では終わらない旅になりそうです。そんなのが昔のものづくりです。


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