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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

作品なのか商品なのか

2011年05月23日

昨日の夜は撮影をやり直しまして、今日は朝からキッチンクロスをアップしています。画像はまあまあですが、時間がなくって、もっと丁寧に撮らないといけないのですが、アパレル様からの電話などもいろいろといただいて一日が短すぎます。

倉庫にも行きましてご依頼の生地をセレクトしておりました。紺の生地をということで探していたのですが、黒と紺の色は似ているのですが黒と紺ではまったく印象が異なるのです。黒にも実際にはいろいろあるのですが、基本的に黒は黒なのです。でも、紺というのは紺は紺と言い切れずに、さまざまな色味の紺があって奥が深い色の一つです。

今日は、夕刻に加工工場の社長さまからお電話いただきました。仕事のことではありませんが、明るい話はないかなあというお電話くださいました。生産の規模が少なくなる中でも特殊な設備を維持していかねばならないので整備するためには一度に何百万円というお金が掛かるとおっしゃっておられました。林与も工場設備を維持しているのでその意味は良くわかるところです。

伝統工芸的な部分ではなかなか会社を支えていくのは難しいというのは実際のところだと思います。手間隙をとことんまで掛けることのできた昔と工業製品としての品質を求められる現代とでは、作品なのか商品なのかで価値のとらえ方が大きく変わってきます。最近の林与のものづくりは、作品的なものづくりが増えてきています。売ることを考えずに技術の限界に挑戦するようなことも今の日本では大事ではないかと思うのです。

お電話をいただいた社長さまも、日本の麻織物の仕上げの第一人者であられ、伝統工芸士をはじめとする職人を育む立場であられます。林与の本麻手もみ100番手はそんな方との取り組みや監修のもとでアパレル向けの素材として生まれてきた生地であったりしまします。そんな背景があるがために日本の多くのブランドさまに愛されてきた本麻手もみ100番手は日本の麻織物の1つの顔として続く限り残していかねばならないなあと思うところです。今の時代、他の産地でも似たようなものができるかとは思うのですが、それを生み出して守り続けるということは他ではできないことだと思います。

今日は夜、長年お付き合いのありました問屋さんの方からのファックスが入っておりました。この月末で会社を退職されるということで、私もこの仕事に入ってからは年に2から3度はお会いしていたお方ではありますが、滋賀県のご出身の方ですので、こちらにお立ち寄りの際にはプライベートでお会いできることもあるのではないかと思います。展示会の時にも先代と親しくしていただいていた皆様とのお出会いやご挨拶がたくさんありました。


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