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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

路線

2011年06月17日

今日は午後からお客様がお二人おいでになられました。選ばれるものというのは、昔のしっかりとしたものづくりのものが多いので、目がお高いなあと感じるのです。国内市場での高いゾーンのものづくりですらもが安い工程で似たものをという要望が増えています。林与の考えるベストな麻のものづくりのラインと販売のラインは自社独自に構築して残していく必要を感じるところです。

林与の生地をお探しのかたで、林与のサイトにお越しの方というのはどこにもよい麻の生地がないということで、見つけていただいた方が多いのです。お客様の要望と作り手である林与のものづくりのコンセプトが合うとものに対するご評価も高くて、ときには、林与が通常によいものと考える以上のものを探しに来てくださるケースもあります。

そういう高くて良い物への需要はあっても、そういうものは流通をしていくのは難しくなっていますので、糸、染、織、加工などすべての技術が安い代替的な技術に置き換えられ消えて、海外の生地との格差はどんどんと狭まってきています。

一度安いほうに動くと自分のなかの価値観が変わってしまい逆戻りはなかなかできないので、林与の全体的な商品構成が高いものがほとんどであるのも、共通してよい材料、よい工程を貫こうとしているが故で、ひとつの生地をみて優劣の世界ではなく、日本の麻織物の高級な路線を維持していくため、何十年も昔から、流通や販売の方とは価値観が食い違うことも多いので、林与らしい独自の路線が守れているのではないかと思っています。

考え方の違いこそが大事で普通の考えだと高級なものというのは残せないのです。どこでもだれでもつくれるといわれることが多いですが、ものづくりを守るときに人の考えからはじまりますので、ものの価値観においては、ものそのものじゃないところが大事なのです。合成繊維が天然繊維以上に安くて優れていても、天然繊維に価値を感じるというのも人の価値判断であったりします。


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