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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

本麻とステテコ

2011年07月11日

先週、知り合いの方がステテコを作ってくださいました。本麻のステテコがなぜかしかしかするのです。違和感があって、どうしたものかと洗濯機で強めに水洗いしました。水洗いしたものをもう一度洗ってもまだチクチク感があります。今まで、本麻で甚平や作務衣を作ったことがありましたが、こんなことはなかったので考えました。

今日、午後から滋賀県の中央会の方がお見えくださいました。直前に工場で作業をしていたので、シャワーを浴びてから、上にシャツ下にステテコです。同じステテコでも、それがなぜか良い感じ、考えてみると、本麻のステテコをエアコンの効いた部屋においてあったので、麻の水分率が下がってしかしかし始めていたようです。麻のものというのは、本来エアコンとは相性が合わないものなのです。

実際に、麻というのはリネンにしろ本麻にしろ、テンターで高温処理されますので加工上がりは水分が飛んでしまっていて風合いが悪くシカシカするのが普通です。数週間寝かせるとしっとりとしていて良い感じなのです。乾燥してしまっていると肌当たりはよくありません。少し汗ばむような外の陽気の下で着るのが一番自然なのかもしれませんね。

昔は本麻のものが夏に飛ぶように売れた背景には、エアコンのない時代だったからかもしれません。汗ばむような夏に、その汗を吸収してしかもソフトな肌当たりになる本麻のものというのは夏にはもってこいの素材だったのでしょう。今のエアコンの時代には、汗ばむことは少ないので、今はソフトなリネンのほうが日本でも受け入れられやすくなったのかとも感じます。

工場の中では、先日筬の裏表を直しまして調子よく織れた台がまた調子悪く、織機に聞いてみると巻き取りローラーの緩みが原因でした。織機を観るときは医者さんのような気分です。生地というのはいろいろな問題が伴うもので、特に特殊な規格の生地を手がけるときには負荷が掛かって普段見えてこないことが問題になってくるものです。


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