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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ラミー

2012年01月22日

今、ラミーのものというのは需要は非常に限られてきています。一般に、勘違いされているケースも多いのですが、実際にはラミーの世界のもののほうがリネンの世界よりも高いケースが多いのです。ラミーをそれなりに味を持たせるには糸だけでなく、織るまでの処理、仕上げなど、非常にコストが掛かります。

ラミーの世界も昔はシャトルで織っていたので細い番手が出回っていました。120番手とか140番手とかが日本でも高級ゾーンの流れている番手として出回っていたのです。贅沢をできた着物の時代の糸というのはそんなものです。さらに特別な番手としては200番手を超えるクラスも原料して別格でその準備工程も入念な時代にはあったと聞いています。

今は、水溶性ビニロンなどを用いて後で溶かす方法で番手を上げる手法が取られ、細い糸を実現していますが、昔は、原材料の良さと技術水準の高さでより細い番手を実現していたのです。繊維関連の方というのは、昔のもののほうが良いものが多かったというのは実感され、高級なものが売れるかというと、高級なものというのはこの何十年の時代の流れからして、それほど評価されるものではないというのを実感されていると思います。

今の時代1着分の生地に10万円を使える人というのは少ないと思いますが、昔の日本の着物の世界では、一着分が10万円を超えるというのもよくあった話です。着物の場合、仕立てというのがそれほど価格のウェイトを占めませんので、布の価値こそが着物の価値そのものに近かったといえます。

動物性繊維のシルクやウールなどに比べて麻布というのは、繊維の特性からして、ご家庭で保存されていても昔の生地がそのままに近い形で保存されて残るケースが多いのはまこと幸運なことではあるかとは思います。同じセルローズ系繊維の綿と比べても、繊維が強いなあと思うのは、水に対してです。綿のものは水分が多い状態で放置しておくとカビが生えて気安いですが、麻布はカビなどは生えにくいという衛生面での特性があります。また、天日で干すことである程度晒すことができますので漂白剤など使用は繊維を傷めマイナスです。

林与自身、高校生のときに着たリネンシャツや麻シャツをいまも、まだ着たりしているので、麻シャツというのはメモリアル的なシチュエーションでのプレゼントには最適ではないかと思います。着ている人がプレゼントでいただいたことを何度も実感できるだけでなく、その服を着ているときにいろいろな思い出がその服に詰まって行きます。使っているときの思い出がものに詰まって行くのは、キッチンクロスなんかでも同じではあると思いますが…。


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