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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

パリを振り返って

2012年02月17日

ヨーロッパで展示会をする目的の一つが、自分の作ったものをヨーロッパの現地の方に見てもらうことと、私自身がヨーロッパのリネン素材にどういうものがあるのかというものを学びたいところでした。テックスワールド展では、見ていただいた方から、ビューティフルという言葉をたくさんくださいました。芸術的にものづくりをしているところが評価されているのだと思います。ご覧いただいた皆さんにはインパクトは大きかったものと思います。

一方で、林与が取り組んでいるような細番手のリネンの世界をやっているところを探していたのですが、テックスワールドにはありませんでした。もしかすると、プルミエールビジョンの会社の中には細くエレガントなリネンに取り組んでいるところがあるのかもしれませんが今回は行き当たれませんでした。EU化されてから、さららにヨーロッパの地域の特色的なものがなくなり、経済要因でいろいろな織物企業は消えている感じがします。ヨーロッパでは、リネンとヘンプというものの壁が非常に薄いのも感じました。昔のリネンと呼ばれるものがヘンプであることが多いのも、日本で植物の茎から取れるものが基本麻と呼ばれたのと同じで、リネンというのは植物の茎から取れれば基本リネンと呼ばれたのでしょう。

中国の大手のメーカーさんが揃っておられたのですが、いろいろなものづくりをしておられるところでも70番手あたりでリネン100番手が中国では織れない理由もお話をしていて分かりました。1000人を超える規模の中国の会社が何社も出展しておられましたが、そのものづくりとは方向性が異なります。一般のアパレルのお客さんが求めるものとはバルクの世界のもので、林与の作るものとは違うのかもしれませんが、ヨーロッパにおいて、林与が作るものというのが独創的に見えるのは非常にうれしいことでした。引き続き、この違いみたいなものをさらに強くするものづくりをしていきたいと考えています。

あと、ヨーロッパではエコなものにたいする道徳的な意識が高まっているのを感じます。プロの方たちがなにをいまさらという感じもしますが、サステイナブルという言葉が何度も来場者の方から飛び出てきました。ヨーロッパでも機屋さんが消えている運命にあるので、サステイナブルなものを生産する環境を維持することも大事ではないかと思います。使い捨てが一番アンエコなので、使い捨てしないことが一番大事なポイントだとは思いますが、今のエコは、使い捨てを助長するようなゆがんだところ、ものを大事にする気持ちすらなくしてしまいます。ものを大事にする気持ちというのは、ものだけのことではなく、人を大事にする気持ちにつながります。自分が使って悪くなると他の人が迷惑するとか、これを買うために自分が働いたとか、ものには人に絡む要因がいっぱい詰まっているので、ものを大事にする気持ちは大事だと思います。

ホテルから出発前、ベットで横になっていても右足首が壊れたように痛い、筋を違えた感じが1週間ほど続き完全に悪化してしまったようでほとんど歩けない。パリの北駅から空港へ向かう2つ目くらいの駅で、2人の引ったくりグループがよってくる。小銭を落し、それを拾うふりをしてもう一人がすろうとする。ばればれなのに馬鹿だなあと思いながらも、席が空いたので座っていると、また、同じように小銭を落として拾うふりをする。馬鹿な連中だなあと思いながら、大きな声で”NO MORE”といったら電車から降りていった。脚が痛くて、うっとおしすぎて。


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