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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

2012年09月19日

糸の入っている箱というのは大事です。そこにその糸のロットが書いてあって、その糸をたどることが出来るからです。一番困るのは糸の管理のできないタイプの人で、そういう人の仕事というのは使うことの限られてしまうゴミが増えるばかりなのです。

仕事のできる人というのは書いていなくてもロット管理が上手なのですが、仕事の出来ない人が書いていないと全員の仕事を駄目にしてしまいますので、ロット管理の出来ない人が仕事に入るときにはその人のためにロット管理できる人を監督的に割り振る手間が増えます。

量産の時代の人ほどロット管理ができずに品質が落ちてトラブルに見舞われて消えていくというケースが多いようです。原糸のロット、染のロット、糊付のロットなど、同じ色に見えるほど微妙な色の違いが命取りになります。

原糸を管理するときには元箱にいれて、糸のロットが違う場合には別々の箱に入れて管理するのが適当です。案外それができない人が多いもので、大きなトラブルを避けるために、ロットの判断があいまいになった10kgや20kgの糸を正しい糸として使えなくなることも多いのです。

作業している人には糸の価値が見えないことが多く、織りあがった布の価値もみえていないことも多いものです。その価値の見えている人の作る布と見えていない人の作る布とでは品質に大きな差が生まれてきます。

糸の入っていた箱にしても、再利用ができるので壊さないで再利用を考えるべきですが、今の時代というのは品質管理の為に使い捨ての時代になってしまっていることも逆に多いものです。糸の箱も使い捨てるようないい加減なものではなく、しっかりとした材料で作ってもらっていると再利用を考えるうえではありがたいのですが、今の時代は使い捨てを前提とした梱包の時代です。

リサイクルといいますが、今の時代のリサイクルは、ゴミとして捨てているのに等しく、利用するために一から溶かして使うようなことは、セカンドベストで本当の意味での省資源化ではありません。ダンボールにしても何十年も使えるものなので、使い捨てるダンボールよりも、何十年も使えるダンボールを使ったほうが何倍も省資源につながります。


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