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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

長栄座ロビー展示

2013年03月24日

今日は、米原にある滋賀県文化産業交流会館での長栄座のロビー展示。前回は会社案内がなかったので、会社案内も必要かと思って、午前中、時間もないのに、会社案内を何十部か作りました。

途中で、1月にエプソンの買ったばかりの1700Fという複合機が最初の純正インクも使い切らない間に、ブルー色のインク擦れトラブルを起こして予定していた紙が足りなくなって用紙を買いに行ったりよくあるパターンです。

何時間も余裕があると思っていても、出発は予定よりも1時間以上遅れて、会場入りすると他の皆さんはもう準備終えておられました。準備中から布に興味を示してくださる方は多く、布というものが人の心を引くものだというのは今日も感じました。

暖かく弊社の展示に声を掛けてくださった方とじっくり目にお話をさせていただきました。声を掛けさせてくださっても、どれだけの時間が与えられているのか分からないので、端折りながら自己紹介的に何をどうやって作っているのかお話しするのですが、話し始めるとどこまでも話は長くなるものです。ご年配の皆さんが若い私に興味深げにかつ丁寧に声を掛けてくださるのありがたいです。

開演し、皆さんが会場入りされたときに、会館の方ともお話してある建築メーカーさんの40代の社長さんのお話をお聞きしました。私のやっていることを見守ってくださっているようで、会社を引き継がれたときに、株式会社○○建設という名前を、株式会社○○にされたとか、株式会社林与織物を株式会社林与と変えた私と同じようなことをされた方が居られ、業種は違えども、まったく同じような境遇にあられたのだと思うのです。

ひとつの世代が終わって次の世代に引き継ぐときに、それまでは守られてきた垣根なども、ここぞとばかり崩れることも、また、それに応じて崩していかねばならないこともあったりで、結論として最後は自分自身が力をつけることが一番大事で自分の判断で動いていれば結果が悪くてもそれがベストじゃないかと。

すでに、業界の廃業をされた70代、80代の皆さんの仕事の姿勢ならびに人生観、さらには、50代、60代で家族を持ちながらもやもえず仕事から去ることを余儀なくされた方々の人生観などを参考にさせていただきながら、そういう方々にほど賞賛せざるおえないような三方善の美徳があった気がします。独自の技術もそういう方が育まれておられたような気がします。

そういう方がもたれていた技術というのは私自身は漏れずに、その方たちとともに消えていくほうが世の中のためだと思います。新しい世代が自分自身でその技術に近づくことこそがそれを超える技術を養う要素になるもので、軽々しく教えて得意になる人というのもそういう軽々しさの連鎖になり、仕事を動かす中で理解し、技術自体も育んでいくことだろうと思うのです。損な事を積み重ねるから他で真似のできないほどの強靭なものづくりになることが多いのです。そういうのが川上から川下まで流れていたから近江のものづくりは三方善で良いものづくりだったような気がします。農家でその副業としての流れを持つことも、モノづくり自体も使い捨てにならず良いモノづくりにつながったのではなかろうかと思います。

長栄座の展示は、そこで売ることが目的ではなくPR活動で皆さんに近江湖東で今も麻織物を織り続けていることをお話し、お若い方には近江湖東麻織物の文化があることを知ってもらうことが目的なので、そういう場所に出て見てもらって、いろいろな方とお話しすることが展示会と同じで大事に思います。


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