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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

木の文化

2013年03月28日

今日は、午前中、彦根市民会館での会議に出席。戻るとシャトル織機のヒガエがトラブル、調整しました。隣の台は、ニュービッグチェックを織っています。ニューといっても、ボーダーの柄を色違いにしただけですが、人気のビッグチェックに新しいバージョンが出来上がりました。グリンとか綺麗です。

日本の文化というのは、木の文化だといわれます。他国の文化に比べて、衣食住が植物で成り立っている部分が大きいというのが特色で、風呂敷のように包む布の文化が発達しています。風呂敷なんかもシルクのものが一番有名ではありますが、シルクも蚕ということで桑を育てるということが大事なのです。

よく展示会などでもたずねられるのが、麻に関しても原料から国産ですか、という質問です。現在、本来自生しているべき苧で糸を作るというのは難しく、一部国内でも青苧を育てて績んでの生産が行われています。上布と呼ばれる着物向けの糸の世界になります。リネンに関しては国内で生産されているものは、リネンの種を取るためのもので、繊維を取り出すためのものではありません。

苧なんてものは現在でも自生しているので、それを活用すればよいのですが、自然にあるものは背丈があるので大概、雑草として刈り取られてしまいます。大麻に関しては、昔は日本だけでなく、世界中のいたるところに自生していたといわれますが、それが今はどこにも自生していないということで、人の力というのはすごいものだなあといえます。

1年前にパリの展示会に行ったときに、オランダのアムステルダムでトランジットしました。面白いことにオランダもリネンの産地としてノミネートされ、一般には知られていますが、花屋さんに聞いても、フラックスの種というものの存在、知られないことが多く、オランダではリネンはマイナーなもののようでした。逆に空港にヘンプの絵葉書などが目立ち、普通、空港といえば大麻とかを取り締まるような場所なのに、ヘンプ文化を発信しているオランダというのも治外法権的な存在だからこそ、アムステルダムが世界のハブとして存在しうるのかとも思います。空港にカジノまで作ってPRしており、オランダというのは国を挙げて思考回路の違いというのを見せ付けます。

日本とオランダという国も遠くて近いのは、鎖国が敷かれた江戸時代にですら日本は中国とオランダとだけは出島を通じて貿易をしていたのです。それって、オランダがヨーロッパでも特殊な存在だったということだろうといえます。日本って、無資源国だといわれますが、日本が鎖国しながらも独自の特色のある文化を形成していたところを考えると、自然の恵みを生かしながら生きていくことできるんじゃあないかと思います。


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