for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

春かな

2014年01月29日

もう1月も終わり、外は雨。雨の中に暖かさを感じる。桜が咲く前夜のような力づよい温もり。もう止まらない感じ。止まるとか止まらないとかどうでもよいのだけど、春になろうとするのが止まらない感じ。

工場の中では1月末の納期に向けての複数の仕事の詰め、そのうちの一つ、レピア織機がキューキューと機械が壊れる前のような異音を出す。どこがおかしいのか、数週間前に修理してもらった箇所の留め金具がなくなってしまったのか、付け忘れたのかで、留めピンについたギアがぐらぐらで、ギアの頭が鋼鉄の部品を削ってしまっている。重症。

納期が大事なのに、時間が掛かりそうな問題で、これを解決するためには、他の仕事を遅らせてこれに集中しないといけない。織機を載せ換えることも考えるが、それをやると、また調子出しからはじめないとならない。時間のことを考えると絶望感に陥る。考えた末に、その周辺の部品全体を取り替えることにする。そんなことやったことなかったが、これが案外スムーズ1時間ほどで交換できた。だが、交換後、また別の問題が発生。

レピア織機が動いていて突然13枚目のソウコウ枠が外れる。部品全体を交換したときにソウコウ枠を固定していた金具の調整を忘れ、ソウコウ枠が大暴れして外れたみたいで、ドビーの歯まで外れてどこかに行ってしまった。ドビーの歯ば、余分にあったので付け直して、結局、2時間くらいのタイムロス。でも、途中であきらめるよりは進み続けたので前には進んでいる。

今、作っているものの生産量は少ないけど、どれもがちょっと無理のある規格に自らしたものが多く、この生地はちょっと面白いなあと珍しいなあと思ってもらえるようなものをベースにしているものが多いので、量産となるとトラブルが付き物。

生地が厚いだけで、レピア織機で困るのは、捨て耳の絡む部分が後退して、糸をうまくピックできなかったりとか、カッターがうまく切れなかったりとか、こういう織物を作っていると、一日に何十回もピッカーやカッターを外して調整したり、ぎりぎりの織物というのは、とにかく織る以外の部分で時間を使う。

1反の仕事であるけれども、自分としてもレピアでできるかどうか挑戦したかった仕事。普通ならシャトル織機で高密度なのだけども、いろいろな皆さんから要望があって、シャトルの弱点も克服しつつレピアで高密度の織物に挑戦。できるかできないかわからない仕事を仕事として受けることは緊張する。それはその仕事をこなすためではなくて、これからの将来を考えると自分が持つべきな新しい能力であることも多く、そういう出来るか出来ないかわからない仕事を他人のふんどしでやらせてもらえることに感謝しないといけないと思う。そういうチャンスを与えてもらえることというのは少ないものだ。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内