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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ツラ

2015年06月07日

生地の表情というかツラは加工方法によって変わってくる。同じ生機を使用しても生地の表情をまったく別のものにしてしまうことは可能だ。つくりたい表情があれば、それを目指ざす加工を施さないとならない。

麻の表情でも、国内で愛されるのがシワの形状であるのに対して、海外はシワの形状を嫌う傾向がある。傾向は傾向として認識を持った上で自分がどう提案するかを考えて行くべきだろうと思う。

売れないのは自分がつくる良い物を理解できないからだというみたいな考え方に陥ると駄目だろう。また、値段が2倍になると数量は10分の一になるといわれる?ように、高いものづくりを目指そうとするとそれを使えるターゲットは極端に少なくなることも理解は必要だろうと思える。

数年前、自分のものづくりはファンが多いとおっしゃられていた工場さんが、今は、仕事なく困っておられたり、行き着くところまで行き着いてしまってからでは打開策を見つけるのは難しいもので、危機感を持った経営は必要で、行き着いたところにいってしまった場合には、180度の方向転換が必要になることもあろう。仕事というのが面子の張り合いになりがちなのだが、本来そういうレベルのものではなく、和の精神で成り立っていた日本のはずが駆け引きが多くなりすぎている。

たとえば、ある商品が売れなくなったときに、その商品をやめるのかやめないのか、やめないのなら他の商品でそれを支えなければならない。本業の仕事が少なくなったときには、別の仕事をしてでも本業を支えなければならないのではなかろうかと思えたりする。本業というのを損得で考えると続かないもので、趣味とか哲学的な部分で成り立たせないと駄目なときもあって、他の新しいことでもやってみると本業の経営においても本質的に駄目な部分が何なのかみえてくるものだろう。

自分自身、数年前にアイリッシュリネンのプロジェクトを行って産地での織物が衰退する流れの中で何が問題なのか本質が見えた気もした。そのあとも5年ほど経って、いろいろな方と接するにそのときの考察は正しかった気がしている。


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