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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

器用さ

2015年11月17日

仕事をする上で器用さというのは大事で、職人的な器用と言うのは経験を積んだ結果であることが多いが、今までの人生経験でいろんなことをやっているので新しいことを初めてやっても器用にできるというのが必須になっているように思える。

新しいことを教えてもらって、難しいからできないといつまでもいい続けるのか、すぐに出来るようになるのか、あるいは、何ヶ月も掛かってできるようになるのかでは、食べていけるのはすぐに出来るようになる人だけであろう。習得が遅い人というのはそこに今までの仕事経験みたいなのが凝縮されていて、そういう習得が遅いというあたりから解決をしていかないとならないと思える。

よく言われるのが、現場では教えてもらえることは稀で、自分が上手な人の作業をみて、真似するしかないということ。いわば、上手になるためには技を盗めということ。現場で教えてもらえることばかりを期待していて自分が上手にならないのを教えてくれる人のせいにしていても、そういう人というのは自分が教える立場にはなかなかなれないもので、教えるほうが一生懸命でも教えられるほうが教えてもらえるのをまってそれを仕事していると勘違いして、全体としては上手な人が下手な人に使われてしまっているような一番駄目な状態を生み出してしまうのだろう。

新しいものづくりは、問題なんかがあっても自分で解決してものにしていける人でないと成り立たないだろう。毎日、目の前にトラブルみたいなものがあって、それを現実的に解決していけないと仕事としては成り立たないのである。何十年の経験をもつ職人さんたちを抱えている工場の経営が傾く一途で、経験のない新興国の工場が立ち上がって元気に日本向けの仕事をこなしているのを考えると、日本の織物企業がどんどんと形骸化して輸入企業に変わるのも自然な流れではあろう。


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