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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

中古のリスク

2015年12月12日

6年前に地元の工場から買わせて貰った。幅の狭いシャトル織機は、その工場のおばあさんの話だと工場に設置してから20年間動いたことがなかったそうで、その織機が林与に来て、職人さんが織ろうと毎日しても1ヶ月経っても動かないというか、縦糸が切れて切れて織れなかった。

前の工場も動かない織機に投資され工場内に動かない織機を入れられて放置されたままで気の毒な話だなあと思う。意気込んで新しい織機を夢見て入れられてそれで、調子が悪く動かない。その工場の職人さんもお手上げだったのだろう。

林与でも入れてから職人さんに任せ、その織機を1ヶ月ほど調節したが織れない状態が続く。1ヶ月して、この織機の問題は分からないという結論を聞いて、私がその夜、織機をみた。結局、一つの部分が正しく動いていないということが原因で、次の日にそれを直してもらう。すべての部品が正しく付いていても消耗などの問題で織機が正しく動かないということはありうりそれは経験の長い職人さんでも発見は無理なのが普通だろう。

今日もレピアで同じような問題を解決、縦糸が切れて切れて織れない。初めて触ることばかりだけど、まあ、最初から織機をつくるほどの手間ではなく、構造を考えながら自分なりにココだと思うところを調整すると、同じように織機が問題なく動き出す。

織機の調整は正しいところを正しく調整しないと無理で、それにはコツがいるのだが、そのコツが分かる職人さんというのは少ない。シャトル織機10台を自社工場に導入したときも、そのうち9台が織れない状態で、職人さんも理由が分からず、結局、動いた一台を注意深くみるとほかの織機にない部品が付いている。職人さんが経験上から訳あって、ほかの9台のその部品を取ってしまったのが原因で、結局織機はその部品を9台に付け直すと正しく動き出した。

原因が分からなければ、移設した織機が動かないということで捨てることになっただろう。幸運の女神がいて、その原因を見つけることができた。まさに紙一重の世界。もし、動いた1台のその部品が硬くて外せなかったということがなければ、中古で移設した10台はゴミそのもので動かせないまま処分していただろう。


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